株式を後継者へ譲渡、贈与する際は、議決権割合も考慮する

事業承継において、株式の承継は必ず行う必要があります。

ただし、株価が安いからといって全て渡してしまうのは、ちょっと待ってください。

議決権を沢山持っている株主の力の大きさを当記事で確認いただき、後継者にどの程度議決権を渡すべきか、慎重に判断する必要があります。

議決権の大小で会社への影響力が変わる

議決権を沢山持っているのか、そうでないかによって、会社への影響力は大きく異なります。

議決権割合に応じた、できることを表にしてみました。

できること 必要な
議決権割合
定款 公開会社の場合
6ヶ月以上継続所有
株主総会の議題を提案すること

(取締役会なし)

1個以上
株主総会の招集を求めること 3%以上 引き下げ可
業務執行に関する検査役の選任申立て 3%以上 引き下げ可
会計帳簿の閲覧を求めること 3%以上 引き下げ可
役員の解任を求めること 3%以上 引き下げ可
株主総会の議題を提案すること

(取締役会あり)

10%以上 引き下げ可
株主総会の議案を提案すること 10%以上 引き下げ可
会社の解散を求めること 10%以上 引き下げ可
特別決議の否決 3分の1超 引き下げ可
普通決議の否決 50%以上
普通決議の可決 50%超
役員の選任 50%超 引き上げ可
役員の解任 50%超 引き上げ可
特別決議の可決 3分の2以上 引き上げ可
株式等売渡請求 90%以上 引き上げ可

沢山並んでいますが、特に大事なところは

・普通決議の可決と否決

・役員の選任と解任

・特別決議の可決と否決

です。

これらの項目について、次項にて説明いたします。

普通決議とは

普通決議とは、株主総会における議案のうち、例えば次のような事項について決議することをいいます。

・配当を出すのか出さないのか

・役員報酬をいくらにするのか

・役員の選任

・役員の解任

・計算書類(=決算書など)の承認

※他にも有りますが省略します。

例えば過半数の議決権を一人の株主が持っている場合、その一人の株主で、配当や役員報酬の額、役員の人選を行うことが出来ます。

後継者の所有する議決権が50%を超えている場合、配当や役員報酬の額は後継者の思いのままです。

役員の人選についても、悪い言い方をすれば、取締役として残っているあなた自身が体良く追い出される可能性もあります。

このような事態を避けたい場合は、自身(と配偶者など議決権の行使を同じくする人)の議決権割合を50%以上にすれば、普通決議を否決することが出来ます。

特別決議とは

特別決議も、株主総会における議案を決議するのですが、普通決議と違い今後の会社の行く末を左右する重要な議案について決議することをいいます。

例えば

・定款の変更(一部出来ないものあり)

・新株の発行(=増資)

・事業譲渡

・合併

・解散

などです。

定款は、会社にとっての憲法のようなものですので、これを変更すると今後の会社運営に大きく影響するでしょう。

新株の発行についても、詳細は省略しますが、使い方次第では多数派の株主が少数派の株主を追い出すことも可能です。

これらの事項について拒否権を維持したい場合は、自身(と配偶者など議決権の行使を同じくする人)の議決権割合を3分の1を超えるようにすれば、特別決議を否決することが出来ます。

株式の承継は少しずつ

株式の承継は、株価が下がったタイミングで一気に移転したくなりますが

・後継者の能力や考え方の見極めが不足している

・信頼関係の醸成が十分でない

などの場合は、後継者の議決権割合は、できれば3割を上限として株式の移転を行うことをお勧めします。

もう少し後継者に株式を渡したい場合でも、自身が普通決議を否決できるぐらいに留めた方が安全です。

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【編集後記】

最近、ブログのネタが決まるまでの時間が長く、1時間以上も逡巡しています。。

書き出したら早いのですが、なかなか上手くいきません。

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