中小企業倒産防止共済。
比較的よく利用されている制度と思いますが、利用にあたり、幾つか気をつけたいことが幾つかあります。
目次
中小企業倒産防止共済とは
掛金を事前に払い込むことにより、取引先が倒産して売掛金が貸し倒れた場合に、資金の貸付けを受けることができる制度です。これを、倒産防止貸付と言います。
貸付け金額は、掛金の10倍又は貸し倒れた売掛金額の何か少ない額。
貸付金利は無利子で、申し込み後2週間程度で着金します。
また掛金は払い込んだ時に経費になります(一定の手続き必要)。解約すると全額戻ります。
つまり、利益が出そうな年に掛金を払い込み、赤字の年に解約すれば、節税になります。
(掛金を払うので、資金は一旦外部に流出してしまいますが…。)
掛金は月額5千円〜20万円の範囲で任意に選択します。後で増額又は減額もできます。
前払いも可能で、前払い期間が1年以内だと全額経費になります。
掛金の払い込み累計額が800万円に達すると、それ以上の払い込みはできません。
どちらかというと、貸し倒れに備えるというより、節税目的で利用されることが多いようです。
加入できる方
次の条件を満たす法人、個人事業者で、1年以上事業を行っている方。
気をつけたいこと
(1) 手続きを踏まないと経費にならない
個人事業者の方は、確定申告書に次の書類を添付します(年間掛金120万円の例)。
法人の場合は、次の2つの書類を添付する必要があります。
①別表十(六)
②適用額明細書
(2) 倒産防止貸付を受けると、掛金の一部が消滅する
倒産防止貸付を受けると、貸付金額の10%が掛金から控除されます。
先ほど無利子貸付と書きましたが、この掛金控除が事実上の利息ですね。そう考えると結構な高金利です…。
(3) 解約が早すぎると、解約金が目減りする
任意に解約する場合、掛金払込月数が40ヶ月未満の場合、解約金が目減りしますので要注意です。