相続税を節税する効果的な生前贈与の方法

相続税対策には生前贈与が効果的ですが、効果的な生前贈与の方法は何か、どうすれば相続税を節税することが出来るのか、考え方のヒントをご紹介いたします。

生前贈与の前にやるべきこと

生前贈与の前に、まずはやるべきことが2つあります。これをやらないと効果的な生前贈与は出来ません。

それは、財産の把握と、相続税の大まかな額の把握です。

財産の把握

まず行うべきは、財産の把握です。

財産の把握とは、どのような財産があって、その価値はいくらか確認することです。

財産は、財産価値のあるものと支払うべきものの両方の意味があります。

主な財産の種類、確認するための資料、価値(評価額)についてまとめてみました。

実際の申告とは違いますが、ざっくり知る分にはこれで十分です。

財産の種類 確認資料 評価額
現金 現物 額面どおり
預貯金 通帳、預金証書 額面どおり
不動産 固定資産税の納付書(課税明細) 固定資産税評価額
有価証券 取引報告書(証券会社より) 評価額
投資信託 同上 同上
生命保険 保険証券 死亡保険金
その他 財産価値がありそうなもの およその時価
▲借入金 返済明細 借入残高
▲未払金 ローンの返済明細など ローン残高

相続税率の把握

財産の把握ができたら、次に相続税率の大まかな額を把握します。

正確な方法は省略し、ここでは、財産の額と相続人の構成による相続税率の目安を掲載します。

(配偶者あり)

財産の額(億円) 子0人 子1人 子2人 子3人
0.5 15% 10% 10% 0%
1 30% 15% 15% 12.5%
1.5 40% 30% 22.5% 17.5%
2 40% 30% 25% 22.5%

(配偶者なし)

財産の額(億円) 子1人 子2人 子3人
0.5 15% 10% 10%
1 30% 15% 15%
1.5 40% 30% 20%
2 40% 30% 30%

※基礎控除額をご存知の方へ・・上の表の財産の額は、基礎控除額を差し引く前の財産の額のことです。

参考記事(こちらも併せてお読み頂くと良いです)

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生前贈与を行う必要がない場合もある

なにを当たり前のことを、と思われるかもしれませんが、基本的ながら大切な考え方なので、改めて確認しましょう。

相続税の節税とは、相続税の対象となる財産を減らすことが目的です。

したがって、次の項目の何れかに当てはまる場合は、財産を減らす=生前贈与を行う必要がありません。

・そもそも相続税の対象となる財産がない。

・現時点ではあるが、将来的には相続税の対象となるほど残らない見込みだ。

・相続税がそれほど大した金額ではないから、対策するほどでもない。

財産の状況を把握できていないと、節税対策としての生前贈与を行うべきか否かの判断すらつかないことが理解いただけると思います。

効果的な生前贈与の方法

贈与税の非課税枠内の贈与

基本的な生前贈与の方法です。

特に、財産をお持ちの方がまだ若い(目安として65歳以下の)場合にお勧めしたい方法です。贈与税の非課税枠の範囲内で贈与を行います。贈与税の非課税枠は、年間110万円です。

贈与税の非課税枠は、財産を貰う側の立場でみますので、父母から110万円ずつ贈与を受けたお子さんは、非課税枠を超えてしまうことになります。

したがって、なるべくたくさんの人に分散して贈与を行うと、より早く財産を減らすことができます。

ただし、簡単なだけに、手続きは抜かりなく行う必要があります。

参考記事

110万円までの贈与 簡単に考えていると痛い目にあう
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法定相続人以外への贈与

正確には、相続により財産をもらう予定がない方への贈与です。

相続により財産をもらう予定がある方への贈与は、贈与が事実上無効になる仕組みがありますので、財産をお持ちの方の年齢が平均余命に近づいている場合には、特に意識したい方法です。

参考記事

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敢えて贈与税を支払う贈与

平均余命に近づいている等、残された時間があまりない場合や、財産の額が莫大でチマチマ贈与しても財産が減らない場合に有効な方法です。

贈与税を支払うことを前提にした生前贈与を行うのですが、贈与税の税率が相続税の税率を下回る程度の生前贈与を行います。

実務上よく行われているのが、贈与税率が最低(10%)になるギリギリのところで生前贈与を行うというものです。

ギリギリ10%が適用される贈与財産の額は310万円で、贈与税額は20万円になります。

20万円と聞くと高く感じるかもしれませんが、仮に相続税率が20%も30%も掛かることが分かっている場合、税率10%で310万円もの財産を移せると思えば安いものです。

(参考 贈与税の税率表一部抜粋)

贈与財産の額

(110万控除前)

税率
110万円超 310万円以下 10%
310万円超 510万円以下 15%
510万円超 710万円以下 20%

※贈与をうける方が20歳以上で、父母や祖父母から贈与を受ける場合の税率です。

一時的に価値が下がっている財産の贈与

株式(特に自社の株式)について積極的に検討したい方法です。

何らかの理由で、一時的に価値が下がっている(と思われる)タイミングで積極的に贈与する方法です。

メリットとしては次の2点があります。

・ローコストで沢山の株を移転できる。

・仮に生前贈与加算の対象になっても、贈与した株式の評価は贈与時の評価でOK。

参考記事

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まとめ

相続税の節税のための効果的な生前贈与の方法について解説いたしました。

生前贈与は、ただやみくもに行えば良いというものではありません。

正しい現状認識(財産の把握、相続税率の把握)を行ったうえで、贈与税の負担を恐れずに行うと効果的です。

また、必要のない生前贈与や、老後資金を無視した生前贈与は、節税に目が行き過ぎていますので、冷静に状況を把握することも大事です。

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【編集後記】

ホームページとブログの設定や改善に夢中になっていたら、あっという間に4時間も経過していました。恐ろしい。。

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