2018年度(平成30年度)税制改正により
資本金が1億円を超える法人は
電子申告(e-Tax、eLTAX)が
強制されることになりそうです。
目次
資本金が1億円を超える法人が対象
電子申告が強制されるのは
資本金(または出資金)が1億円を超える
・法人(株式会社、有限会社、合同会社、合資会社、合名会社など)
・相互会社、投資法人、特定目的会社
です。
この改正について、新聞記事などで
「大法人が対象」と
表現されているようです。
大法人=上場会社と想像したくなりますが
中堅企業クラスなら強制対象になる可能性が
十分あります。
大法人、という言葉のイメージではなく
資本金できちんと判断するようにしましょう。
書面で申告した場合は無申告扱い
電子申告が強制される法人が
敢えて書面で申告したらどうなるのでしょうか?
これが、中々な塩対応でして
無申告(=申告していないのと一緒の)扱いです。。
どうしようもない場合は書面申告OK(ただし承認必要)
ネット環境の障害など、どうしようもない
事情の場合は、書面申告がOKになります。
ただし、税務署の承認が必要です。
(社内システムが整っていないなどの事情は
認められないものと思われます。)
新ルールは2021年3月決算法人から適用
電子申告が強制される新ルールは
2020年4月1日以降に開始する事業年度から
の予定です。
つまり、新ルールは
2021年3月決算法人から適用される
ということになりそうです。
期中に増資して1億円を超えた場合は関係なし
資本金が1億円を超えているかどうかは
事業年度開始日(=期首)時点で判定する
ようです。
そのため、資本金が
・期首時点 8,000万円
・期中で増資 +3,000万円
だった場合は、電子申告の義務はありません。
改正の背景がイマイチわからない・・
なぜ、このような改正が必要になったのか
知りたくなり、ネットを20分ほど探してみたところ
見つかりませんでした。。。
代わりに、このような資料を。
(出典:国税庁ホームページ「平成28年度におけるe-Taxの利用状況等について」http://www.e-tax.nta.go.jp/topics/2908pressrelease.pdf)
この資料は、国税庁が公表している
電子申告(e-Tax)の普及率を示すものです。
法人税申告については、平成27年度で79.3%あります。
約8割の法人が電子申告を利用しているなかで
今回の改正が必要だったのかどうかは
判断がつきません。
上場会社の場合、社内の稟議の都合や
システムの都合などで電子申告に取り組みにくい
場合もある、と聞いたことがあります。
それなら、資本金は1億円でなく、たとえば5億円を
超える法人、のような決め方が妥当です。
なぜ資本金1億円を超える法人になったのか
その根拠がサッパリ分かりません。。
税理士に依頼していれば心配いらない(たぶん)
税務申告を税理士に依頼している法人は
税理士が電子申告で申告していることが
多いので、大丈夫です(たぶん)。
たまーに、バリバリの書面申告で押し通している
税理士もいるようです。
手元の申告書控を確認してみて
税務署の受付印が押されている場合は
書面申告ですので、電子申告を依頼するなどの
対応が必要になります。
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【編集後記】
筆者がお手伝いさせて頂いている法人さんは
全て電子申告です。
今回の改正は、正直なところ
何の影響もないのですが、資本金1億円という
根拠がよく分からないライン引きに
なんとも言えない不思議な香りを感じます。