起業を決意した時に決めなければならないことの一つに、どこで仕事をするのか、つまり自宅か事務所を賃借するか選択する必要があります。
私の場合は、当初は自宅開業の方針だったのですが、事務所賃借に方針変更しました。
その経験を踏まえて記していきたいと思います。
目次
1. 当初は自宅開業を計画
起業を志した当初は、自宅開業を計画していました。
主な理由は次の通りです。
(1) コストが掛からない
売上ゼロからのスタートですので、出来るだけ経費は抑えたいところです。その点、自宅開業ならばコストゼロです。その分、起業が失敗に終わるリスクを減少させることができます。
(2) 通勤時間が節約できる
自宅開業ならば、当然ですが通勤時間はありません。その分仕事かプライベートに時間を使うことができます。
2. 自宅開業の問題点
自宅で開業する場合、解決しなければならない問題がいくつかありました。
(1) 自宅が賃貸であること
自宅は持ち家でなく賃貸ですが、賃貸借契約書上、使途が住宅用に限られ、事務所用としては使用できません。
ひっそり(こっそり?)と開業することも考えられますが、表札に事務所名を掲げると管理会社に発見されるリスクがあること、そして何より隠れてやっている後ろめたさがあります。
事務所可物件に引っ越せば良いのですが、猫を飼っているため事務所可&ペット可で検索しなければならず、残念ながら限られた時間内ではピンとくる物件が見つかりませんでした。
(2) 仕事専用スペースの確保が難しい
自宅の間取りは1LDKです。LDはせいぜい8畳程度、寝室は4畳程度のため、仕事をするとなるとリビングテーブルにノートパソコンを置いて行うことになります。
また独立した書類保管スペースの確保が困難で、既存の本棚の一部を空けて保管スペースとすることを検討していました。
したがって、仕事専用スペースの確保が難しく、プライベート空間と仕事空間が混在することは避けられません。
(3) お客様との打合せ場所をどうするか
これも少々悩みましたが、カフェか会議室を都度レンタルして行うことになると想定しました。
(4) 仕事モードに切り替えることが出来るか
これは個人差があるところだと思いますが、プライベート空間と仕事空間が混在している状況で、果たして仕事に集中できるのか自信が持てませんでした。
とはいえ、このブログは殆ど自宅で夜に執筆していますので、この問題は杞憂だったかも知れません。
3. 事務所の賃借も検討
自宅開業の方向で準備を進める一方、事務所を賃借する可能性を捨ててはいませんでした。
普通にオフィスを賃借するコスト負担は出来ませんので、レンタルオフィスで検討していました。
事務所の賃借に魅力を感じたポイントは次の通りです。
(1) 独立した空間が持てること
言うまでもないメリットです。プライベート空間との混在も有り得ません。
(2) 打合せ場所や複合機を確保できること
レンタルオフィスは、共用の打合せスペース、複合機やシュレッダーなどのOA機器が確保されているところが殆どです。
賃料の坪単価は割高ですが、自分で確保することを考えれば魅力的でした。
(3) お客様からの信頼感
ゼロからのスタートである以上、少しでも信頼を得られる要素を、可能な限り整備しておきたいと考えていました。この点において、自宅開業よりは信頼を得られるのではと踏んでいました。
(4) 自分自身の覚悟を決める手段
事務所の賃借は、売上の見込みが立たない中でコストばかり出ていくので、その分自分自身の覚悟を決める、腹もすわるのではと考えました。
背水の陣を敷くようなものです。
4. 事務所の賃借を選択
検討を進めていると、幸運なことに開業当初からある程度の収入が見込める目処がたったため、事務所を賃借する抵抗感がかなり減少しました。
万が一上手くいかなければ軌道修正すればいい、とも思っていましたので、思い切って事務所を賃借することにしました。
5. まとめ
自宅開業にしても、事務所を賃借するにしても、何れもメリットデメリットがあります。
特に事務所の賃借は、コスト面でかなり思い切った選択になりますが、その分得られるメリットもあります。
何れを選択するかは、起業家の考え方に大きく左右されますが、選択したとしても、何か問題があれば軌道修正するぐらいの気軽な気持ちで判断しても良いと思います。