新宿にほど近い町、新宿区中井。
戦後間もない頃、東京は京都や金沢と並ぶ、染物の三大産地として名を馳せていたそうです。
中井は、その東京染物の中心を担った町。その伝統が今も引き継がれています。
先日、この染物を取り上げたイベント「染の小道(そめのこみち)」に行ってきました。
このイベントは、毎年2月末の金曜日から日曜日の3日間にかけて行われているようです。
中井駅へのアクセス
中井駅へのアクセスは、主に次のルートです。
・高田馬場駅より西武新宿線の各停で2駅目
・新宿駅より総武線で東中野→大江戸線の光が丘方面に乗り換えて1駅目
東京メトロ東西線の落合駅から歩いても10分掛かりません。
筆者は落合駅から歩きました。
中井の町中にのれんがはためく
落合駅のホームに降り立つと、駅名案内板に染物をモチーフにした絵柄が。※不覚にも写真を撮り損ねました。
染物の町なのだと感じます。
駅を後にして中井駅方面へ数分歩くと、早速染物ののれんが目に飛び込んできました。
のれんのタイトルは「JAPAN」
富士山に桜と、正に日本を体現するかの様な、鮮やかなのれんです。
更に歩くと、とある郵便局にのれんが。
タイトルは「おたより」
郵便局らしい、想いを配達する様子が伝わってきます。
今度は、とある八百屋さんにて。
一目で八百屋さんと分かるのれんです。
お店の女将さんとお話をしたところ、のれんは普段から掛けているのではなく、このイベントに合わせて掛けているそう。
普段から掛けておけば面白いのにとお話ししたところ、こののれんは作家によるギャラリーの意味があり、購入もできるとのこと。
更に歩を進めます。お蕎麦屋さんが見えてきました。
小ぶりののれんがよくマッチしていますね。実用的な感じがします。
このような感じで、中井の町にのれんが何と116作品も掛かっているそうです。
パンフレットに作家リストが載っていましたが、明らかに外国人と思われる方が5人ほど載っていました。
日本人でも知らない人が多いであろう伝統工芸に心惹かれ、言葉の壁も乗り越え、作家として活動していることに驚きました。
川のギャラリー
染め物は、染料で染めたあと水洗いをしますが、水洗いは妙正寺川で行います。
その水洗いの様子をイメージした、川のギャラリーです。
色とりどりの染め物が川面に映えますね。
写真では伝わりにくいかもしれませんが、実際に目の当たりにしたところ、圧巻の光景でした。
更に更に
こちらは単色でなくデザインものが目立ちます。
これらはイベントならではの展示ですが、昔はこのような光景が、ごく日常のものだったそうです。
都心にほど近いこの町で、都会的でないものが多数並んでいる様は、考えてみると不思議な光景です。
不思議と言っても、決して違和感があるということではなく、現代に相応しい形に変えて脈々と受け継がれていることに、嬉しさ、気持ちの良さを感じました。
知らないことを見聞きする面白さを改めて感じたイベントでした。
にほんブログ村
||||||||||||||||||||||||||||||||
【編集後記】
中井は下町の雰囲気がする町でしたが、おしゃれなパン屋さんや、何故か梅干しやさんなどあり、街歩きして面白い町だと思いました。