平成29年(2017年)分路線価公表!路線価の意味、調べ方、相続税への影響を解説

平成29年(2017年)分の路線価が、本日(7月3日)国税庁より公表されました。

路線価とはなんぞや?というところから、路線価の調べ方、相続税への影響、三大都市の有名地点の路線価の5年推移をご紹介します。

路線価とは?

相続税や贈与税の申告時に土地を評価するために必要

路線価(ろせんか)とは、相続税や贈与税の申告時に、土地を評価するために使うものです。

その年1月1日現在の、土地1平方メートルあたりの標準的な評価額として表現されています。

「この土地の路線価は〇〇円で、昨年より上がったよ。」

「あの土地の路線価は、こっちの路線価より安いよ」

といった言い方をします。

路線価が200,000円で地積(=土地の面積)が100平方メートルなら、相続税や贈与税の申告における評価額は20,000,000円(=200,000円×100平方メートル)となります。

路線価と時価は違うが相場の目安になる

路線価は、いわゆる時価とは異なりますが、時価のおよそ8割ほどの目安で設定されているとのことですので、土地取引の際の相場を探る一つの目安にもなります。

(あくまで目安ですが)

路線価は1月1日現在の評価額のため、相場を知る目的で利用するなら、時の経過に伴う相場の変動は意識しておく必要があります。

路線価の単位は坪ではなく平方メートル

土地の単位は、特に土地取引に慣れている方は「平方メートル」より「坪」の表現に慣れているかたも多いと思います。

路線価はあくまで平方メートル単位なので、計算間違いをしないよう注意が必要です。

路線価の調べ方

路線価は、路線価図(ろせんかず)という地図に記載されています。

それでは、路線価の調べ方を見てみましょう。

ここでは、東京タワー(東京都港区芝公園4丁目2−8)の路線価を調べてみることにします。

まずは国税庁ホームページにアクセスし、路線価図をクリックしましょう。

次に、路線価図を見たい都道府県をクリックします。左側の文字、右側の日本地図のどちらをクリックしてもOKです。

港区をクリック

港区以下の住所があいうえお順に並んでいますので、芝公園目指してスクロールすると・・・

ありました!5桁の数字にリンクされているものが路線価図です。

今回は4枚路線価図がありますが、どこに東京タワーがあるか分からないので、何でもいいので4枚のいずれかをクリックします。

路線価図が表示されます。地図の右のほうに東京タワーが確認できます。

今回は偶々1枚目にクリックした地図に東京タワーが載っていましたが、お目当ての場所がなかった場合は、画面の左端に上下左右の続きの地図のリンクがあるので、それをクリックして目的地に近づいていきます。

自宅の路線価を探す場合は、近隣のランドマーク(学校や駅など)を目印にすると自宅を発見しやすいです。

ちなみに、路線価図にある丸数字は、住所でいうところの街区(一丁目9番の「9番」が街区)ですので、こちらも目的地探しの手掛かりになります。

路線価図をご覧になってお気づきかもしれませんが、路線価は、土地ではなく土地に接している道路に付けられています。

また路線価の記載は千円単位です。

例えば次の路線価は、1,360,000円/平方メートル、という意味です。

(路線価の後についている「C」にも意味があるのですが、別の機会に説明します。)

それでは東京タワーを改めて確認してみましょう。

北側と東側が道路に接しています。北側の路線価は1,370,000円、東側の路線価は1,050,000円であることが分かります。

このように、評価したい土地に路線価が2つ以上ある場合は、取り敢えず金額の高い方を路線価としてください。

(本来は、金額の低い方の路線価も評価に織り込む必要がありますし、そもそも単に高い方の路線価を使うというのも違うのですが、説明がとても長くなるので敢えて省略します。詳しくは別の機会にお話したいと思います。)

東京タワーの敷地面積は、ウィキペディア先生によると15,577.143 平方メートルとのことですので、東京タワーの敷地の相続税評価額は約213億円(1,370,000円×15,577.143平方メートル)となります。

相続税への影響について

路線価は相続税申告の際の土地評価額に直接影響しますので、路線価が上昇すれば相続税も上昇するのは必然です。また都市部(路線価の高い地域)に土地をお持ちの方ほど、路線価の上昇による相続税への影響はより強く出ます。

例えば、地積が200平方メートル、相続税率が30%の方の場合で、路線価が前年比10%アップしたとします。

・前年の路線価が10万円の場合

→→ 10万円 × 10% × 200平方メートル × 30% = 相続税の増加額は60万円

・前年の路線価が100万円

→→ 100万円 × 10% × 200平方メートル × 30% = 相続税の増加額は600万円

このように、路線価が高い地域に土地をお持ちの方は、路線価が前年比で5%も10%も上昇すると、相続税の負担額も急上昇します。

平時より相続税の試算を行い、財産の状況に合わせた対策を出来るだけ長い時間を掛けて行うことが、路線価の上昇による相続税増加リスクを抑える手段となります。

三大都市の有名地点の路線価5年推移

三大都市圏の有名地点の路線価について、ここ5年の推移を並べてみました。

 2017年  2017年 2016年 2016年 2015年 2015年 2014年 2014年 2013年
 地点 路線価 前年比 路線価 前年比 路線価 前年比 路線価 前年比 路線価
東京(銀座 鳩居堂前) 40,320 126% 32,000 119% 26,960 114% 23,600 110% 21,520
大阪(梅田 阪急うめだ本店前) 11,760 116% 10,160 122%  8,320 110%  7,560 106%  7,120
名古屋(名駅 タワーズ前)  8,800 105% 8,400 114% 7,360 112% 6,600 110% 6,000

2017年は東京の上昇率が半端ないですね。名古屋は2016年までの伸び率が著しいですが、2017年に入って若干落ち着いた感じでしょうか。

大阪は2016年が伸び率ピークでしたが、2017年に入ってもまだ勢いが残っている感じです。

上記地点は全て商業地のため、住宅地については全く違う傾向になる地域も多いと思います。

ぜひ、ご所有の土地の路線価を、できれば過去の路線価を含めて確認してみると、その地域の傾向が見えてくると思います。

(時間があれば各道府県でも同じように分析したいのですが、時間の都合上、上記3地点のみで悪しからずm(._.)m)

まとめ

平成29年分の路線価が公表されたので、路線価の意味や見方、相続税に与える影響を説明いたしました。

まずは現状把握として相続税の試算、そして対策。相続税対策は普段からの地道な努力が大事です。

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【編集後記】

平成29年に相続が開始した場合の相続税申告は、当たり前ですが平成29年分の路線価を使います。

平成29年1月10日に相続開始すると、申告期限は10ヶ月後の11月10日。でも路線価の発表は毎年7月。。。。

早く終わらせたくても叶わないジレンマがあります。

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