源泉所得税の支払い方法は納期の特例が最良なのか?

従業員が9人以下の会社は、源泉所得税の支払いは半年分をまとめて支払う(=納期の特例)が多いと思いますが、敢えて納期の特例を使わず毎月支払う考え方もあります。

納期の特例とは

給与などから天引きした源泉所得税は、天引きした月の翌月10日までに納税するのが基本ルールです。

5月支払分の給与から天引きした源泉所得税は、6月10日(但し2017年は土曜日なので、6月12日(月)まで)に納税します。

これに対して、納期の特例とは、次の通り半年分をまとめて支払うことができる制度です。

・1月〜6月分の源泉所得税・・7月10日

・7月〜12月分の源泉所得税・・翌年1月20日

納期の特例は、従業員が常時9人以下で、かつ承認の申請を提出した場合に限り認められます。

納期の特例の対象となる源泉所得税は、次のものが対象です。

・給与や賞与

・退職金

・税理士などの士業の報酬

デザイナーに対するデザイン料、原稿料、配当金などを支払った際の源泉所得税は、納期の特例の承認を受けていても毎月納税する必要があるので注意が必要です。

納期の特例のメリット

納期の特例のメリットは、納税の手間を劇的に減らすことが出来ることではないでしょうか。

毎月納付だと年12回の納付手続きが必要ですが、納期の特例を選択することで、年2回に減らすことができます。

納期の特例の怖いところ

納期の特例は、メリットが霞むぐらい怖い要素があります。

納税の資金繰りがつかない

源泉所得税は預り金なので、納税の負担感は年2回だろうが12回だろうが変わらないと思いがちです。

しかし、会社の経営状態によっては、一時的に預り金たる源泉所得税を資金繰りに使うこともありえます。

毎月の源泉所得税を別口座で管理するなど、計画的に納税資金を用意しておかないと、7月と1月に大慌てすることになります。

不納付加算税の課税がされやすくなる

源泉所得税は、納税が1日でも遅れると、不納付加算税という税金が発生します。

不納付加算税は、納期限を守れなかったことに対するペナルティー的な要素を持つ税金で、その額は、納期限を守れなかった源泉所得税×10%です。

但し不納付加算税には、例外がいくつかあります。

・税務署から払ってねと言われる(=告知)前に納税すれば×5%

→積極的に納税すれば罰を軽くするね、ということです。

・計算した結果5,000円未満なら免除

→大したことない金額なら大目にみるよ、ということです。

・過去1年以内に納税遅れがない+納期限後1ヶ月以内の納税で免除

→たまたまうっかりミスなら大目にみるよ、ということです。

ここで、不納付加算税が5,000円未満なら免除について、もう少し考えてみたいと思います。

仮に、源泉所得税が20,000円/月だとします。

毎月納付の場合で納税が遅れた場合は、不納付加算税は10%なら2,000円、5%なら1,000円のため、いずれも免除となります。

ところが、納期の特例で遅れた場合は、源泉所得税は20,000円×6ヶ月=120,000円のため、不納付加算税は10%で12,000円、5%でも6,000円となり、いずれも免除されません。

つまり、納期の特例を選択することによって、源泉所得税の金額がまとまって大きくなり、不納付加算税が免除されにくくなる、ということです。

まとめ

納期の特例は手間を省くという意味で便利な制度ですが、見方を変えてみると怖い一面があるということです。

計画的に納税できれば問題ないのですが、営業も経理も一手に引き受けている社長さんの場合は、資金繰りや万が一の課税リスクを考えて、敢えて納期の特例を選択しないのも一つの方法です。

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【編集後記】

本日の記事は従業員10人以上の会社にはあまり関係がない話ですが、不納付加算税が免除される考え方は全く同じですので、参考にして頂ければ。

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