2017年4月20日付日本経済新聞の1面に「法人税、電子申告を義務に 財務省・国税庁、事務負担軽く 19年度にも実施」との見出しが踊っていました。
大企業の方が電子申告への取り組みが遅れている
記事によると、大企業の方が電子申告への取り組みが遅れているそうです。
電子申告の利用割合は全体で約75%、うち大企業では約52%とのこと。そうすると、中小企業は75%を超えているということになります。
ただし、記事では遅れている理由として、次の理由を挙げています。
大企業は独自の経理・会計システムを構築しているため、電子申告を使わないケースが目立つ。
過去の経験からしますと、経理・会計システムは確かに独自のシステムや、市販のERPをベースに相当なカスタマイズを施しているケースが殆ど(ほぼ100%かも?)です。
ですが、それはあくまで会計の話。
税務申告に関しては、市販の申告書ソフトを普通に使っていました。つまり中小企業と同一の環境です。
むしろ、記事にも触れられていますが、次の事情の方が圧倒的に多いと想定されます。
「領収書などの書類を紙で決済する文化が根強くある」(東証1部の上場企業)、「紙での地方税申告を求める自治体があり、すべて紙で対応している」(食品スーパー)
しかし、紙での地方税申告を求める理由って何でしょうね?その理由に興味があります。まさかシステムを使えないとか??
電子申告推進のメリット
電子申告を推進するメリットは、国側の処理時間が減少することです。
紙で申告書を提出すると、税務署はいちいちシステムに入力しなければなりません。一部の帳票は読み取り機に対応していますが、殆どの帳票は手入力です。
電子申告ならデータで受け取るだけなので、入力作業ゼロ、もちろん入力ミスもゼロです。
国家予算が厳しい状況が続いていますので、官民協力してコストを下げる必要があることは理解できます。
しかし、紙の申告だと罰則を検討というのは、ちょっと違和感があります。
自分たち(国)のことしか考えていない傲慢さを感じます。
多くの自治体が電子申告に対応していないというのは、恐らく勘違い
記事の最後にこのような記述がありました。
日本の納税の効率化は海外に比べ遅れている。世界銀行などの調査によると、日本の企業の納税にかかる時間は年330時間。経済協力開発機構の加盟国平均の1.9倍だ。税収全体の約4割を占める地方税では多くの自治体が電子申告に対応しておらず、総務省が環境整備を進めている。
多くの自治体が電子申告に対応しておらず、とありますが、電子申告は普及率100%です。2015年4月に達成されています。
恐らく、電子納税に対応しておらず、と言いたかったのでしょう。
確かに、電子納税に対応している都府県が12箇所、市町が10箇所です・・・(2017年4月3日現在)。
民間の利便性も考えて欲しい
大企業の場合、金融機関の納税サービスを利用している場合が多いと思いますが、納付期限前7営業日には金融機関に納税情報を提出しないといけませんでした(ただし5年前の記憶であることをお断りしておきます)。
大企業に喜ばれるのは、電子申告云々より電子納税の環境整備だと思われます。
国の効率化(電子申告100%)も理解できますが、民間の効率化はむしろ電子納税です。
国のことだけでなく、民間の利便性も考えて環境整備して欲しいところです。
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【編集後記】
個人事業主として初めて迎えるGWが目の前ですが、あまり嬉しさを感じません。
何故でしょう・・・。