自宅を配偶者に相続してほしい方への朗報?

「私に万が一のことがあっても、妻(夫)には安心して自宅で過ごしてもらいたい」

自分自身に万が一があったとき、残された自宅と配偶者については、このように考えていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。

自宅を配偶者に遺しやすくなるかもしれない、そんな法改正の案が検討されているようです。

自宅を配偶者へ遺すには生前贈与か遺言書

自宅を配偶者へ遺すには

・生前に贈与を行う

・死後に贈与を行う(死因贈与)

・遺言書を書き遺す

の3つの方法があります。

時と場合によっては

・売買

も考えられますが、通常は先の2つの方法から選ぶことが殆どでしょう。

生前贈与は確実に渡せるが持戻し免除が必須

生前に自宅を配偶者に贈与すれば、生きている間に確実に配偶者へ自宅を渡せるので、自身も配偶者も安心です。

ただし、ただ贈与しただけだと、生前贈与した自宅は、相続財産を先に貰ったような取り扱いがされています。

・生前に贈与された自宅(財産)を「特別受益(とくべつじゅえき)」

・相続財産を先に貰ったような取り扱いをされることを「持戻し(もちもどし)」

と言います。

持戻しについて

ここで少し自宅の話から外れまして、持戻しについて図解で説明します。

生前贈与前の財産が1億円あったとして、相続人は2人、法定の相続割合は2分の1ずつとします。

相続人Aさんへ2千万円の生前贈与があった場合、残りの8千万円について、相続人Aさんと相続人Bさんで均等に相続したら、相続人Bさんは怒りますよね。

そこで、生前贈与は相続財産の先渡しと考えれば、AさんもBさんも平等ですね。

これが「持戻し」です。

生前贈与は持戻し免除が必須

自宅の話に戻します。

持戻しは、平等な相続という意味では有意義な制度ですが、自宅を配偶者に継いでもらいたい場合には思わぬ障害になります。

この場合、「持戻しはしないで良い」と意思表示をしておけば、持戻しはしなくてOKです。

このことを「持戻しの免除」と言います。根拠となる法律は次の通りです。

民法第九百三条  共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。

2(省略)

3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。

読み取りづらいですが、黄マーカーをした箇所が持戻し免除のことを言っています。

意思表示の仕方は決まっていませんが、通常は自宅の贈与契約書か、遺言書に書いておくことで記録に残す形が良いです。

ただし、持戻し免除を行なっても、遺留分の計算には含まれてしまいます。

死因贈与と遺言書

死因贈与契約や遺言書によっても、自宅を配偶者に遺すことができます。

生前贈与の場合、相続税の申告時に自宅の土地を8割引にできる制度(=小規模宅地等の特例)が使えないことと、贈与後の離婚リスクに備えて、死因贈与契約や遺言書が有効になります。

但し、遺留分(=相続人に認められた最低限の相続権利)がありますので、例えば財産が自宅と少々の預金の場合、自宅を配偶者に相続させると、他の相続人の遺留分を侵害する可能性が大ですし、相続人間の人間関係次第では、遺留分の減殺請求(=最低限の相続権利を確保する請求)をされる恐れがあります。

改正案について

日経新聞2017年7月19日付朝刊の1面に、「遺産分割から住居除く」という記事が掲載されていました。

要約しますと

婚姻期間20年以上の夫婦間の

・自宅の生前贈与

・自宅の相続意志(遺言書など)

の場合は、自宅を特別受益や遺留分の対象外とする。

このような法律改正が検討されている、というものです。

この改正が実現すると、持戻し免除の意思表示が不要になりますし、自宅が遺留分の算定から除かれますので、自宅と少々の預金が相続財産であっても、安心して配偶者に自宅を遺すことができるようになりそうです。

税金はどうなってる?

贈与となると贈与税が心配になりますが、婚姻期間が20年以上の場合は、自宅の土地建物の価値が2,110万円までなら非課税で贈与できます。

ただし、生前贈与の場合は、先ほども書きましたが小規模宅地等の特例が使えないことと、登記が動くことによって発生する登記費用と不動産取得税が高い点が、注意するべき事項です。

まとめ

自宅を配偶者へ遺す場合の、現状の方法と法改正案について説明いたしました。

残された配偶者の生活拠点(自宅)の確保は、相続対策を考えるうえでの重要課題です。

円満に残せるよう、しっかり考えたいところです。

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【編集後記】

久しぶりに昼ご飯の選択に失敗しました。。。

井之頭五郎先生のように百発百中になりたいです。

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