毎月の経理処理を行う際に、単に通帳を入力して終わらせるのではなく、ちょっと工夫すると、大まかな月次決算ができます。
何を工夫すれば良いか書いてみます。
月末在庫の計上
在庫が損益に影響する企業ほど、月末在庫を計上するのが望ましいです。
例えば、決算期1ヶ月目なら次のように計上(入力)します。
(括弧書きは金額です)
【借方】期首棚卸高【貸方】棚卸資産(月初棚卸高)
【借方】棚卸資産【貸方】期末棚卸高(月末棚卸高)
2ヶ月目以降は、次のように計上(入力)します。
【借方】期末棚卸高【貸方】棚卸資産(月初棚卸高)
【借方】棚卸資産【貸方】期末棚卸高(月末棚卸高)
月次で棚卸を行っていない場合には、粗利率を元に理論上の月末棚卸高を月末算出して計上します。
例えば、売上高が1,000、仕入高が1,100、粗利率が40%とすると、理論上の月末棚卸高は
1,100−1,000×(100%-40%)=500
となります。
この方法だと、異常な在庫の原因を掴むのが難しいですが、取り敢えず毎月の損益は出すことができます。
減価償却費を丸く計上する
年間の減価償却費の金額がわかっている場合は、その金額を12等分して計上します。
例えば、次のように計上(入力)します。
(括弧書きは金額です)
【借】減価償却費【貸方】減価償却累計額(減価償却費÷12)
月末が休日の場合月末で未払い仕訳を入力する
月末が土日などで、月末払の経費が未落ちの場合は、月末に支払うべきだった経費を計上します。
例えば、電話代を計上する場合、次のように計上(入力)します。
(括弧書きは金額です)
【借】通信費【貸方】未払金(経費の金額)
ゆるゆる月次決算
ここまでの項目が全てではありませんが、全て実行すると、その結果、出来上がった試算表が全く別物になります。
特に、在庫を多く抱える企業や、固定資産が多い企業ほど効果があります。
厳密には、月次決算を行うためには他にも計上するべき仕訳がありますが、ここまで読み進めた方なら、出来上がった試算表にそれほどの差はないはずです。
むしろ、試算表はスピードを優先させた方が良いです。
こんな「ゆるゆる決算」でも、業績の把握には十分なハズです。
決算時にこれらの仕訳をまとめて計上して、思惑と大きく違う決算書ができるより、普段から決算に近い処理をしておけば、将来予測にも役立つ筈です。
にほんブログ村
||||||||||||||||||||||||||||||||
【編集後記】
給与所得の特定支出控除の事案に初めて遭遇しました。
実際に経験すると、やはり違いますね。