NHKニュース(2017年5月2日付)にて、フリマアプリのメルカリにて領収書が出品されているとの報道がありました。
領収書の売買は初めて聞く話ではありませんが、フリマアプリを使うところが今風ですし、ビックリするほどの明け透けさです。
買ってきた領収書の使い道
報道にもありましたが、恐らく自営業の方が経費として使うために領収書を購入するのでしょう。
1万円の領収書を数百円で買って経費として申告したら、計算上は1,500円〜5,600円程度、税金の負担が減ることになるのでしょう。
領収書の桁が増えれば、減る税金も同様に増えます。
そう考えれば、数百円で領収書を購入しても十分儲かる(?)、と考えるのでしょうね。
買ってきた領収書を経費にしたらどうなるか?
買ってきた領収書を経費にしたら脱税です。
いきなり身も蓋もないですが、脱税以外に表現の仕様がありません。
間違っても節税などと言わないでくださいね。
節税は、法律が想定している範囲内で税金を減らすことです。
・経費を実際に支払う
・扶養親族をきちんと申告する。
・医療費控除、社会保険料控除などを漏らさずを申告する。
・住宅ローン控除を申告する。
などです。
脱税は、事実を偽る、法律に違反したやり方を行うなどして税金を減らすことです。
・実際に支払っていない領収書を経費にする。
・売上を抜く
・人件費を水増しする。
・領収書の金額を書き換える。
などです。
バレなければ良いんじゃない?
そんなの、バレなければ良いんじゃない?との声も聞こえてきそうです。
いやいや、普通にバレますよ。
そりゃ、何百枚ものタクシー代の領収書の中に1枚だけ買ってきたものがある、というのなら、もしかしたら分からないかもしれません。
バレるというのは、申告書を提出した瞬間にバレるという意味では有りません。そもそも申告時には領収書は添付しませんし。
いつバレるのか?それは税務調査官がやってきたときです。
怪しい領収書というのは、パラパラめくっていると分かることが多いです。怪しくない領収書の作り方指南をするつもりはないので詳しくは書きませんが、まぁバレますよ。
税務調査官が来なければバレない?
確かにその通りですが、そういう問題ではないでしょう。
バレたらどうなる?
バレたら、もちろんその経費は無効です。
税金は再計算して、本来支払うべき税金を支払うことになります。
もちろん、これだけでは真面目に納税している方と比べて余りにも不公平なので、ペナルティが2つ用意されています。
・延滞税
・重加算税
延滞税は、利息のようなものですが、年率9.0%(平成29年の場合)と、かなり高い利率です。
重加算税は、再計算して追加で支払った税金×35%です。
さらに、重加算税を課せられた方は、3年以内に税務調査が入ることが殆どです。
つまり、余計な税金と、税務調査2回分の対応時間をロスすることになるわけです。
これだけのリスクを背負っても、領収書を買いたいですか?
まとめ
筆者が試しにメルカリで領収書を検索したところ、ヒットしませんでした。
ヨカッタヨカッタ。
領収書を買って経費にするのもダメですが、貰って経費にするのも本質的には一緒(ダメ)です。
勇気を持って、自分を厳しく律して、経費にしない決断をしましょう。
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【編集後記】
メルカリですが、過去には現金の売買でも話題になったようです。
便利なサービスで筆者も利用していますが、道具は使い方次第だと改めて実感した次第です。