扶養控除等申告書の下の方に、「住民税に関する事項」があります。
この欄は、意外に大事な項目です。
なぜ大事か書いてみます。
16歳未満の扶養親族は控除なし
扶養親族のうち、16歳未満の方は扶養控除を受けることができません。
昔は扶養控除を受けることができたのですが、平成23年(住民税は平成24年)から
扶養控除を受けることができなくなりました。
次の図は、扶養親族の年齢別控除額(所得税)です。
16歳未満の方が控除額ゼロになった経緯は、子ども手当の創設と引き換えです。
創設当初は子ども一人当たり月13,000円(年156,000円)でした。
子ども手当について詳しくは→Wikipedia
住民税の非課税は所得と扶養親族の人数で決まる
それでは、控除額がゼロである16歳未満の扶養親族を、わざわざ申告書に書く理由は何でしょうか?
それは
・住民税の非課税額の判定に影響がある
ためです。
【住民税について】
住民税とは、お住まいの都道府県や市区町村に支払う税金のことです。
市民税と同じ意味と考えてOKです。
住民税は
・扶養控除などを差し引いた後の所得金額に10%を掛けて計算する「所得割(しょとくわり)」
・所得に関係なく一律(標準で年間5,000円)かかる「均等割(きんとうわり)」
の2本立てからなっています。
住民税は、所得金額が次の金額以下だと、所得割が非課税になります。
32万円 + 35万円 × 扶養親族の人数(本人、配偶者も含む)
たとえば、本人・配偶者・子ども3人の家族の場合
・所得金額が207万円以下(給料のみなら、年収で3,216,000円未満)
なら、住民税のうち所得割が非課税になります。
さらに、所得金額が次の金額以下だと、均等割も非課税になります。
21万円 + 35万円 × 扶養親族の人数(本人、配偶者も含む)
たとえば、本人・配偶者・子ども3人の家族の場合
・所得金額が196万円以下(給料のみなら、年収で3,060,000円未満)
なら、住民税が全くかからない、ということになります。
控除がなくても、16歳未満の子どももしっかり記入
ここまでの記事で
・住民税が掛かるかどうかは、16歳未満の子どもの人数が影響する
ことが確認できたと思います。
16歳未満で控除もないんだから、と軽く考えず、住民税に関する事項には、16歳未満の子どももしっかり記入するのがおすすめです。
(年末ギリギリに出産された場合も、勤務先に申し出て追加記入するのがおすすめです。)
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【編集後記】
来年の税制改正に関する記事が紙面を賑わせる季節になりました。
そんな中、某大手新聞1社でのみ10月30日付で見かけた記事である、事業承継税制の大盤振る舞いに要注目です。
本当に実現したら、税制面の障害は消滅するほど強力です。
強力すぎて、もしかしてガセネタか?との疑いもありますが。。。