ダブルワークの場合の扶養控除等申告書はどこに出しても良い 全部に出すのはNG

ダブルワークをしている場合でも、年末が近くなってくると

・扶養控除等申告書

・保険料控除申告書

などを提出することには変わりません。

この場合、よくあるのが、両方の勤め先から申告書の用紙をもらってしまう場合です。

どちらに出せば良いか、うっかり両方とも出してしまった場合の対処法などをまとめてみました。

たくさん稼いでるほうに提出する

ダブルワークをしている場合の扶養控除等申告書など(以下「申告書」)は

・たくさん稼いでいる勤務先

に提出するのが一般的です。

最大の理由は、給料の手取りを増やすためです。

毎月の給料から引かれる所得税。

この所得税の金額が決まる要素は、3つあります。

・給料の大小

・扶養親族の有無

・申告書提出の有無

給料が多くなれば所得税も多くなる、扶養親族がたくさんいれば所得税は低くなる、と

いうのは理解できると思います。

問題は、「申告書提出の有無」です。

実は

・申告書の提出あり・・・低い税率(専門用語で「甲欄(こうらん)」)

・申告書の提出なし・・・高い税率(専門用語で「乙欄(おつらん)」)

を使うと決められています。

例えば、月給20万円(扶養親族なし、社会保険は考慮しない)の場合、所得税は

・申告書の提出あり・・・4,770円

・申告書の提出なし・・・20,900円

ということで、なんと5倍近い差があります。

月給10万円だと

・申告書の提出あり・・・720円

・申告書の提出なし・・・3,600円

です。

もし、勤め先A社で月給20万円、B社で月給10万円の場合

・A社に申告書提出・・・・所得税合計8,370円(=4,770円+3,600円)

・B社に申告書提出・・・・所得税合計21,620円(=720円+20,900円)

となりますので、毎月の手取り額に約13,000円ほどの差がつくことになります。

したがって、申告書は最も沢山稼いでいる勤務先に提出するのがおすすめです。

どちらに提出しても損得なし

申告書は、たくさん稼いでいる勤務先に提出するのが一般的ですし、おすすめです、と書きました。

このことで、大事なポイントがあります。それは

どちらに提出しても、最終的には損得なし

ということです。

どういうことか、具体的な数字で考えてみましょう。

まず大前提として、ダブルワークの場合、確定申告を行う必要があります

先ほどのA社、B社でダブルワークを行い、確定申告をおこなったところ

1年間の税金が20万円だったとします。

1年間の税金は、収入や扶養親族などで決まり、天引き済みの所得税の額の大小は影響しません。

したがって、どちらに申告書を出しても、1年間の税金は同じ額になります。

20万円は、そのまま支払うのではなく、給料から天引き済みの所得税を差し引いた残りを支払います。

天引き済み所得税の方が多い場合は、多かった分が還付されます(税金が戻ってきます)。

具体的な納税額(または還付額)は

・A社に申告書提出・・・・99,560円の納税

( 200,000円 − 所得税の月額8,370円 × 12ヶ月(※) )

・B社に申告書提出・・・・59,440円の還付

( 200,000円 − 所得税の月額21,620円 × 12ヶ月(※) )

となります。

※実際には、年末調整による税額の増減がありますが、説明を簡単にするため省略しています。

1年間に納税した金額は、次の通りになります。

・A社に申告書提出・・・・毎月8,370円の納税×12ヶ月+確定申告による納税99,560円

・B社に申告書提出・・・・毎月21,620円の納税×12ヶ月+確定申告による還付▲59,440円

答えは、どちらも20万円になるはずです。

このように、申告書をどちらの勤務先に提出しても、最終的な納税額は同額であり、損得なしです。

気分的には、B社に申告書を提出したほうが、確定申告の際に納税にならずに済みますので、税金を支払う痛みを感じずに済みます。

そのため、毎月の手取りが減るのを覚悟で、あえてB社に申告書を出す、という選択肢もアリです。

(関連)

痛税感 税金を支払う辛さを和らげるにはどうすれば良いか
痛税感(つうぜいかん)という言葉があります。 税金を支払う痛み、懐が痛む負担感のことを指します。税金だけでなく、国民健康保険や社会保険...

うっかり両方とも出してしまった場合

それでは、申告書をうっかり両方ともに提出してしまった場合は、どうなるでしょうか。

結論としては、確定申告と納税を行えば、問題ない場合が多いです。

この場合、確定申告による納税額が大きくなりがちです。

先ほどの例でいえば

・A社(月給20万円)の所得税・・4,770円

・B社(月給10万円)の所得税・・720円

(年間65,880円)

・確定申告時の納税額 134,120円(=20万円-65,880円)

となります。

ただし、法律での決まりごとは、申告書の提出は1箇所のみです。

本来なら申告書を提出できないもう一方の会社では、所得税を少なく引いたことになります。

これは、ダブルワークをしている方というより、ダブルワーク先の会社が、本来引くべき所得税を引いていなかった、ということで税務署からお咎めを受ける可能性がある、ということです。

勤務先の全てに申告書を提出しても、税金面でトクをする、ということはありません

勤務先に迷惑をかけないためにも、申告書は1箇所のみに提出しましょう

||||||||||||||||||||||||||||||||

【編集後記】

日馬富士の一件は、事件が起きた時期が場所前だったことや、場所が始まってから発覚したことなど、驚きのポイントが沢山あります。

角界というのは、こうも特殊な世界なのでしょうか。

ブログ村ブログパーツ
||||||||||||||||||||||||||||||||
ブログランキングに参加しています。
よろしければ、ポチッとクリックして頂けると嬉しいです!
↓↓↓こちらをクリック♫
にほんブログ村 士業ブログ 税理士へ

この記事、まぁまぁ良いかなと思って頂いたら、次のボタンを押して頂けるとかなり嬉しいです♫

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存

このブログを定期的に読んで頂ける場合は、下のアイコンをクリックしてみて下さい!