【相続税・贈与税】広大地の評価方法が平成30年から変更!影響額と対処方法を考える

相続税や贈与税における広大地は、税額がどーんと下がる可能性がある重要論点です。

(参考)

広大地とは?図でザックリと解説します
広大地の評価方法が2018年(平成30年)より変更になります。 先日、評価方法の詳細案が公表されましたので、変更による影響を記事にしよ...

広大地の評価方法が2018年(平成30年)より変更になりますが、具体的な評価方法の案が先週発表されていました。

そこで、評価方法案に基づく広大地の評価額への影響額と、対処方法を検討します。

※新しい評価方法では、広大地ではなく「地積規模の大きな宅地」に呼び方が変わっています。

この記事では、説明の便宜上、新しい評価方法の説明も「広大地」と表現します。

広大地の新しい評価方法

広大地の新しい評価方法の案が、パブリックコメント募集のために公表されています。

ご興味のある方は、こちらの別紙2の3頁から4頁にかけて記載されていますので、お読みいただければと。

新しい評価方法の計算式は

となります。

ちなみに2017年(平成29年)まではこんな感じ。

似たような算式ですが、全く違います。

次で詳しく見ていきます。

これまでの評価方法と何が違うか

新しい広大地の評価方法は

・路線価 × 規模格差補正率 × 地積

今までの評価方法は

・正面路線価 × 広大地補正率 × 地積

ということで、よく似ていますが2箇所大きく違うところがあります。

路線価

ちょっとややこしいですが、頑張って読んで下さい。

路線価とは、土地の1㎡あたり評価額です。国税庁が毎年7月に発表しています。

今までの評価方法でいう「正面路線価」とは

その土地についている路線価のうち一番高い路線価

でした。

ところが新しい評価方法でいう「路線価」は

その土地についている路線価を基本に、その土地の個別事情に応じた減額を行なったもの

となります。

「その土地の個別事情に応じた減額」について説明すると、それだけでブログ記事になりそうですが、次のような土地は「その土地の個別事情に応じた減額」がされます。

・奥行きが長い土地

・地形(じがた)が悪い土地

・間口が狭い土地

・間口に対して奥行きが妙に長い土地

つまり、今までの広大地評価では路線価の減額は行わず、新しい広大地評価では路線価の減額を行う、ということです。

補正率

今までの広大地評価でいう補正率はこんな感じです。

新しい広大地評価の補正率はこんな感じ。

(出典:電子政府の総合窓口(https://search.e-gov.go.jp/) ホーム >パブリックコメント(意見募集中案件)>【案件番号:410290035】 「財産評価基本通達」の一部改正(案)に対する意見公募手続の実施について)

試しに計算してみたのがこちら。

今までの補正率と比べて、明らかに掛け率が高くなっています。

掛け率が高いということは、評価額があまり下がらないということに。。。

地形のよい土地は評価額アップ

路線価が30万円として、地積毎に評価額を計算した表です。

・平成29年までは、路線価×広大地補正率×地積で

・平成30年以降は、路線価に減額(0%〜50%)したもの×規模格差補正率×地積で

計算したものです。

地形がキレイで減額要因がない土地(減額0%)だと、新しい評価方法では評価額がこれまでの1.39倍〜2倍強に増えています!

逆に、地形がかなり悪い土地(減額50%)だと、新しい評価方法では評価額がこれまでの0.7倍〜1倍ちょっとです。

つまり、新しい評価方法では

地形が良い土地は評価額がアップし、地形が悪い土地は評価額がダウンする。

ということが言えます。

対策は相続時精算課税を使った生前贈与

来年以降、評価額がアップすることが分かったとしても、相続がいつ起こるかは分かりませんので、どうしようもありません。

かといって、普通に暦年贈与(=毎年110万円まで非課税の贈与)を使ってしまうと、贈与税の負担が高額になってしまいます。

そこで、贈与は贈与でも、相続時精算課税制度を使った贈与を使えば、新しい評価額ではなく現在の評価額で贈与ができます。贈与税は(評価額ー2,500万円)×20%です。

また、相続時精算課税を使った贈与財産は、相続時に相続財産として再計算する必要があるのですが、その際の評価額は新しい評価額ではなく、現在の評価額です。贈与時に支払った贈与税も相続税から差し引くことができるので、損はありません。

改正案は本日(2017年6月26日)現在、あくまで「案」ですが、今のうちから評価額を比較しておき、思い切って生前贈与を行えば、評価額のアップによる相続税の負担を抑えることができるかもしれません。

広大地の定義そのものが大きく変わるかも

現時点ではあくまで確定した内容ではありませんが、変更案を読んでいると、広大地の定義そのものが大きく変わる可能性があります。

方向性としては、実質的な判断より形式的な判断が優先されている印象です。

例えば、路地状開発が可能でも広大地の評価減が出来る、逆にミニ開発(500㎡未満の開発)は、たとえ道路の築造が必要でも広大地の評価減が出来ない、など。

広大地の定義がどう変わるかについては、変更案が確定次第、改めて考えてみたいと思います。

まとめ

新しい広大地の評価方法について、検証と対応策を述べさせて頂きました。

広大地は難解な場面が多いので、広大地に該当しそうな土地をお持ちの方は、資産税に詳しい税理士や不動産鑑定士へご相談されることをお勧めいたします。

(来年から判定が簡単になるかもしれませんが。。)

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【編集後記】

締め切りが近く重要度も高い業務に取り掛かっているため、珍しく(?)ガッツリ残業しています。

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