医療費控除は10万円引かないようになった、という誤解について

平成29年分の確定申告で、最近増えている質問が

医療費控除は10万円引かなくて良くなったの??

というもの。

聞かれた筆者も??な、この疑問。

理由はこんなところにありました。

犯人はまさかの。。。

医療費控除の10万円について

医療費控除は、医療費のうち10万円をこえた部分が

対象になります。

そんなん、言われなくても分かっているよ?

はい、そうですね。

あまりにも有名で、このルールをご存知の方は殆どだと思います。

一応、補足しておきますと

10万円は、必ず10万円ではなくて

確定申告書の1頁目(=第一表)の⑨(申告書Aなら⑤)の金額×5%

が10万円未満なら、その金額になります。

たとえば、⑨(申告書Aなら⑤)の金額が120万円なら

120万円×5%=6万円<10万円

のため、医療費から差し引く金額は6万円です。

とはいえ、これ以降の本記事については

10万円(⑨の5%がどうの・・・)とやっていると

文章がこちゃこちゃになるので

10万円で統一して表現します。

10万円を引かなくて良くなった?

平成29年分の確定申告に取り組む中で、増えてきている質問が

医療費控除は10万円引かなくて良くなったの??

というもの。

医療費については、平成29年分より大きく改正があったのは

間違いないです。

(こちらの記事もどうぞ)

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ただし

医療費から10万円を控除したものが医療費控除の対象

というルールは一切変更がありません。

なぜ、このような誤解が生じたのでしょう??

犯人はまさかの

犯人はコイツだ!

これで分かったら、相当なマニアです。

改めまして、犯人はコイツだ!!

そう、まさかの「確定申告の手引きです」。

正しい申告に導くための手引きが、なぜそんなことを。。

答えは、医療費控除の説明にあります。

平成28年分の手引きでは、このような説明が。

(出典:国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2016/pdf/02.pdf)

※赤囲みは筆者による。

医療費控除の計算欄がちゃんとありました。

それに対して、平成29年分はというと

(出典:国税庁ホームページhttps://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2017/pdf/02.pdf)

※赤囲みは筆者による。

なんと、計算欄が消滅してしまいました。

これが、10万円控除しなくていいの?という誤解を生んだ

犯人のようです。

※ちなみに、HP参照とは「ホームページ参照」のことです。

ヒットポイントではありませんので、念のため。

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【編集後記】

今回取り上げた記事は

確定申告書の手引きが改悪になってしまった一例でした。

他山の石としなければならないなぁ、と感じました。

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