相続税の申告書は相続人毎に行うことができるが、注意事項あり

相続税の申告書は、通常は相続人及び受遺者(以下、相続人等)全員の連名と捺印を持って申告するものです。

申告書の1ページ目の様式はこちら

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2ページ目の様式はこちら

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上記の通り、申告書の様式も連名で申告を行う前提で用意されています。

それでは、相続税の申告は、必ず相続人等の全員による捺印を持って申告しなければならないのでしょうか。

相続税の申告は、相続人毎に行うことができる。

結論としては、相続税の申告は、相続人等が各自で行うことができます。法律上は、全員の連名で申告しなければならない、とは一切書かれていません。

相続税は、亡くなった方が残した財産(相続財産)に対して掛かりますが、納税義務は財産を相続したか、遺贈を受けた方それぞれに発生します。

相続税に限らず、申告は納税義務者毎に行うのが大原則です。ただし相続税に関しては、大原則は踏まえつつも、相続税が掛かる対象が同じですので、便宜上まとめて申告しているにすぎません。

したがって、相続税の申告は、相続人等が各自で行うことができます。

同じ申告なのに違う内容??

各自で行うとはいえ、実務上は理論通りになりません。

最も問題になると考えられる点は、相続税が掛かる対象である相続財産の認識が、相続人等それぞれで異なる可能性がある点です。

例えば、相続人A、B、Cがそれぞれ申告書を提出することになったとします。

この場合において、相続人Aのみが生前にこっそり贈与を受けていて、B、Cが知らなかった場合にどうなるか?

生前贈与のうち、相続開始前3年以内の贈与は、相続税の申告上は相続財産に含めて申告しなければならないルールがあります。

相続人Aは当然のように生前贈与を含めて申告を行いますが、B、Cは知り得ませんので、生前贈与を含めないで申告を行うことになるでしょう。

上記の例はほんの一例で、相続財産の認識が異なりやすいものとして、土地の評価、特殊な財産(骨董品など)の評価、名義預金の判定他多数あります。

したがって、各自で相続税の申告書を提出した場合、内容が全て異なる可能性が高くなります。

税務署はこう動く!

同じ相続なのに、内容が異なる申告書を受け付けた税務署は、どう動くでしょうか?

税務署は、申告された内容が正しいか否かチェックし、正しくなければ改めるよう納税者に指導を行うのが仕事です。

同じ相続ならば、正しい答えはひとつ(あくまで税務署の視点で)

まとめて申告書を提出されようが各自で出されようが、そこに書かれている相続財産の金額や相続税額は、全て同じでなければ税務署は納得しません。

納得しない税務署はどうするか?

先ずは相続人等のどなたか(税理士が関与していれば税理士)に問い合わせがあるでしょう。問い合わせで解決できる内容なら良いですが、解決できない場合は、税務調査(実地調査)が行われ、ご自宅にお伺い、ということになります。

こうなると、申告内容に自信があったとしても、税務署対応の時間と心理的負担は、相当なものがあります。

それでも申告しないよりは申告した方が良い

相続税の申告書を個別に提出する状況は、相続人間のコミュニケーションが難しい状況が難しい、遺産分割協議がまとまらない(=未分割)状況が多いのではないでしょうか。

だからといって、申告を行う必要があるのに申告を行わないで放置すると、他の相続人が提出した申告書の内容を基に相続税額が決定され、更にペナルティとして無申告加算税(※)が課せられます。

(※)本来の相続税額の15%。

ただし本来の相続税額が50万円を超える場合は、超える部分×20%

本来の相続税額が100万の場合、無申告加算税は17万5千円にもなります。

ペナルティを防ぐ方法は、可能な限り相続財産の情報を集め、未分割の場合は法定相続分で相続したものとしてご自身の相続税を計算、申告することです。

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