所得税の最高税率は、平成27年以降だと45%です。
うわっ、所得の45%が税金で持っていかれるわ。稼ぎの半分近くが税金やん・・・。というのは違いますよ、というお話をさせて頂きます。
所得税の税率
所得税の税率は、現在(平成27年以降)最低5%から最高45%です。
所得金額が多いほど税率も上がる仕組みになっています。
所得金額と税率の関係を表にすると、こんな感じです。
(出所:国税庁ホームページ 一部カット)
4,000万円を超えるような所得がある人は中々いないと思いますが、それにしてもすごい税率ですね。
最高で所得の半分近くが持っていかれる?
それでは、所得金額が5,000万円の人は、所得税はいくらでしょうか?
5,000万円 × 45% = 2,250万円でしょうか?
・・・実は、違います。
では、正しい所得税を確認しましょう。
先ほどの表にもう一度登場いただきましょう。
(出所:国税庁ホームページ)
何かが増えてますね。この「控除額」にご注目ください。
(控除額の意味は後で説明しますので、ここではグッと堪えて言葉を飲み込んでください。)
この表を使って、所得金額5,000万円の人の所得税を計算します。
5,000万円 × 45% ー 4,796,000円 = 17,704,000円となります。
これでもまだ高く感じられるかも知れませんが、所得金額5,000万円の約35%ほどの割合です。
所得税率は45%なのに、35%?
この違いを次の項目で説明します。
所得金額の階層ごとに税率が違う
所得税の税率は、所得金額の全てに同じ税率が掛かるのではありません。
所得金額の階層ごとに税率が違うのです。
文章ではちょっと分かりにくいので、図表にしてみました。
例えば、所得金額が1,000万円の人なら
1,000万円の全てに33%の税率を掛ける
は間違いです。
正しくは、次の通り所得金額の階層ごとに区分して税率を掛けます。
・195万円まで(緑色)の部分は5%
・195万円〜330万円(水色)の部分は10%
・330万円〜695万円(青色)の部分は20%
・695万円〜900万円(茶色)の部分は23%
・900万円〜1,000万円(橙色)の部分は33%
なぜ、このような仕組みになっているのでしょう?
例えば、所得金額が900万円の人と901万円の人がいたとします。
900万円までの税率は23%ですが、901万円になると33%。
1万円所得が増えただけで、その所得の全てに33%が掛かったら悲しくなってしまいますね。
そこで、所得金額が増えて税率が上がっても、低い所得金額の部分には低い税率が適用されるような仕組みになっています。
ただ、先ほどの区分計算を毎回毎回行うのは面倒です。
そこで、今一度所得税の税率表に登場していただきます。
(出所:国税庁ホームページ)
この表に当てはめて計算することで、区分計算を行った場合と同様の結果が得られるようになっています。
例えば、所得金額330万円の場合、税率が10%なので
330万円 × 10%
と計算しますが、このままでは195万円以下の部分も10%で計算されてしまいます。
そこで、税率表に当てはめ
330万円 × 10% - 195万円×(10%ー5%)
として、余計な税率(10%と5%=5%)が掛かっている部分(図表でいうグレーの部分)を取り除いてあげれば、所得税が正しく計算されるわけです。
ちなみに、195万円×(10%ー5%)を計算すると、97,500円です。この数字、どこかで見たことありませんか?
そうです、税率10%の控除額と同じ額です。
つまり、所得税の税率表の控除額は、図表のグレーの部分ということです。
図表で説明しますと、
①の部分が「330万円×10%」、②の部分が「195万円×(10%ー5%)」です。
補足
本記事は、所得税の税率の仕組みを説明することだけに集中したかったので、復興特別所得税や住民税は一切考慮していません。念のためご注意ください。
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【編集後記】
最近ポモドーロテクニックに取り組んでいます。
きっかけは、こちらの記事を読んでから。
締め切り効果が得られて、良い感じです。