##### 2017.3.29追記 #####
判定方法を改定しました。詳しくは次のリンクをお読みください。
##### 追記終わり #####
昨日のブログで、配当金を確定申告すると得か損かについて書きましたが、本日はなぜ得(又は損)になるのか、仕組みを説明いたします。
(当記事は、配当金について総合課税を選択することを前提にしています。
分離課税を選択する場合には、当記事の考え方は役に立ちませんので、ご注意ください。)
目次
1.確定申告した場合の税率
配当金を確定申告した場合は、次の税金が掛かります。
所得税
税率は5.105%〜45.945%。次の通り、課税される所得の多寡で決まります。
住民税
一律10%掛かります
(市町村によって多少のばらつきあり)
配当控除
上場株式の配当金は、所得税と住民税を合わせて12.8%(※)を上記の税率から差し引きます。
配当金は、上場会社が法人税を払った後の利益から支払われるものです。
その配当金にもう一度税金(所得税と住民税)を掛けてしまうと、2回税金を掛けてしまうことになります。
そこで、配当控除によって、2回税金が掛かることをある程度防いでいます。
(※)課税される所得が大きくなると率が下がりますが、当記事では関係ないため説明を省略します。
国民健康保険料、後期高齢者医療保険料
勤め先の社会保険に加入している方は、無視して読み飛ばしてOKです。
税ではありませんが、約10%掛かります。
(保険料の率は、市町村によって大きくばらつきあり。市町村のホームページで調べることができます。)
例えば、配当金を10万円申告した場合は、保険料率が10%の場合、国民健康保険が年1万円アップします。
全部まとめて考えると
所得税、住民税、配当控除を全部合わせると、次の通りです。
例えば、課税される所得が195万円以下なら、所得税率5.105%+住民税率10%−配当控除12.8%=2.305%となります。
国民健康保険は、上記の税率に更に保険料率を加えます。
仮に保険料率が10%、課税される所得が195万円以下なら、12.315%となります。
2.確定申告しない場合の税率
20.315%です。
3.確定申告の有利不利は税率の大小を比べればOK
配当金を確定申告した方が有利か不利かは、先ほどの1.と2.の税率を比べればOKです。
例えば
→課税される所得が195万円以下なら
・・・申告すると2.305%、申告しないと20.315%の税金が配当金に掛かるので、申告した方が有利。
→課税される所得が695万円を超えるなら
・・・申告すると20.683%、申告しないと20.315%の税金が配当金に掛かるので、申告しない方が有利。
と判断できます。
国民健康保険等に加入している場合は、申告する場合の税率に保険料率を足して比較します。
4.まとめ
上場株式の配当金を確定申告した方が有利か不利かは、確定申告した場合に掛かる税率、しない場合に掛かる税率を比較すれば行うことができます。
ただし、昨日のブログにも書きましたが、確定申告を行うことにより、扶養から外れたり、健康保険の窓口負担が増える可能性もあります。
特に、特定口座内の配当を確定申告する場合で、同じ特定口座内で株式の譲渡益があるときは、譲渡益も確定申告しなければなりません。
その結果、所得金額が更に増加し、思わぬ不利益を受けることが有ります。
上場株式の配当について確定申告を行うか否かは、慎重な判断が必要です。
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【編集後記】
朝一番に走るか、ゆっくりして昼から走るか迷った末、朝一番に走ったところ午後から雨が降りました。雨に降られなくて良かったです。