好きなお酒を挙げるとワインと返ってきたり、肉と赤ワインの店が盛況だったりと、すっかりワインが市民権を得た感があります。
それに伴い、定番のフランス産やイタリア産でなく、国産のワインにも注目が集まっていますが、ある資料によると、国産ワインなようで、実は国産とは言えない実態もあるようで…。
国税庁はお酒にも熱心
国税庁と聞くと、少し怖いというか、悪いことをしていないのに身構えてしまう、まるで警察のような雰囲気を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その国税庁、税に関することは殆ど取り扱っていますが、その中には「酒税(しゅぜい)」という税金も含まれています。
仕事熱心な国税庁は、お酒(酒税)にも熱心で、酒類業の発展のために、例えばこんなこともしています。何だか意外性を感じられませんか?
国産ワインの原材料は、大部分が海外産
そんな国税庁から、「国内製造ワインの概況」という面白い資料が出ていました。
資料を読み進めていると、気になる情報がありました。ワインの原材料は何か、というものです。
原材料は勿論ぶどうなのですが、国産ワインなら日本で栽培したぶどうで作っている筈、との先入観を持っていた私の前に飛び込んできた文字は、「輸入濃縮果汁」というもの。
輸入濃縮果汁とは、果汁100%ジュースのパッケージによく記載されている「濃縮果汁還元」と一緒です。
ワインの製造に使われる輸入濃縮果汁とは、海外産の濃縮ぶどう果汁ということでしょう。
そして、国産ワインの原材料に占める輸入濃縮果汁の割合は72.2%、大手5社(資料には業者名なし)に限ると、なんと95.1%です。
国産ワインと言いながら、元を辿ると殆ど海外産、ということで、確かに醸造は国産だけど、釈然としない感があります。
ちなみに小規模ワイナリー(製造量100キロリットルまで)に限ると、国産ぶどうの使用割合が99.3%と、殆ど国産です。
これが、消費者がイメージする国産ワインではないでしょうか。
日本ワインとは
そんな現状を打開するためなのか、最近「日本ワイン」という言葉を目にすることが多いかと思います。
日本ワイナリー協会によると、日本ワインとは国産ぶどうを100%使用して国内で醸造されたワインのことを言うようです。
ワインの本場はフランスなどでしょうが、近年では日本ワインの品質も認められつつあるようです。
輸入濃縮果汁を使ったワインは、濃縮した果汁を還元(元に戻す)、つまり水で薄める必要がある筈ですから、言葉は悪いですがまがい物のような感じがします。
折角国産ワインを頂くなら、日本ワインを頂きたいものですね。