株式投資を法人で行う場合の税金面でのメリットデメリット

株式投資を法人で行うと、個人で行う場合と比べて税金上のメリットはどの程度あるものでしょうか。またデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。それぞれ検討してみました。

メリット

利益と相殺する手段が色々ある

株式投資を法人で行って利益が出た場合、利益と相殺する手段がいろいろあります。

役員報酬

法人から役員報酬を支払えば、投資の利益と役員報酬とを相殺することができます。

役員報酬には勿論税金が掛かりますが、他に給与収入が無いなら、役員報酬の一部(金額にもよりますが約2割から4割程度)は所得税や住民税が掛からない仕組みです。

投資の利益について法人税を払うことと比べれば、安い負担ではないでしょうか。

社宅家賃

現在のお住まいが賃貸なら、契約を法人契約に切り替え、社宅として済む方法があります。

法人に家賃を支払う必要があり、家賃の計算式は税務上決められています(※)が、家賃相場の

2割~3割程度で収まることが殆どです。

そのため、今支払っている家賃の7割~8割が、投資の利益と相殺できることになります。

(※)計算式の参考

通信費、光熱費、書籍代などの諸経費

個人で株式投資をしていると中々認められない経費も、法人なら経費として認められやすいです。株式投資に関係があると思われる支出は、洗いざらい経費計上することがポイントです。

倒産防止共済(経営セーフティー共済)

倒産防止共済は、本来の用途は取引先の倒産に備えて積み立てるものですが、株式投資を行う法人でも加入できます。

積立金は月額20万円、累計800万円が限度ですが、全額経費になります。(ただし解約時の戻り金は利益になります。)

加入後40か月以上経過すれば積立金は100%戻りますし、解約時期の制約もないので、大変使い勝手の良い制度です。

生命保険の活用

それでもまだまだ投資利益がある場合には、法人契約による生命保険の活用があります。

保険の種類は沢山ありますが、考え方は共通しており、保険料を経費にして利益を圧縮し、将来都合のよいときに解約して解約金に課税される、つまり課税を将来に先延ばしにする考え方です。

退職金

法人から退職金を支給することもできます。受け取る個人側は、役員報酬を受け取る場合と比べて所得税や住民税が格安です。

ただし、退職金は支払ったときに経費になりますので、倒産防止共済や生命保険の解約金と退職金をぶつけるような形で活用することが多いです。

投資損失が10年繰り越せる

万が一投資損失が出た場合でも、将来10年にわたり繰り越すことができます。個人では3年がやっとです。

デメリット

税率が高い

法人税の税率は、地方税も合わせると、本日(2017年5月23日現在)33.8%です。

個人で株式投資を行っていれば、20.315%で済むところ、13%以上も高くつきます。

ただし、先に説明した利益の圧縮が上手く出来れば、あまり気になくてよいポイントです。

新しく設立するなら、設立費用が掛かる

株式投資のための法人を設立するなら、設立費用が掛かります。

専門家に依頼すれば、実費込みで30万円前後、自分で設立したとしても25万円前後は必要です(株式会社の場合)。

株式会社ではなく合同会社にする(△14万円)、定款を電子定款にする(△4万円)などにより、節約することも出来ます。

参考

電子定款はこうやって作る!作成だけに絞って懇切丁寧に解説!!
法人設立時に必須の定款作成。 通常は紙の定款を用意しますが、電子データで定款を用意すると費用が4万円節約できます。 当記事では、...

法人の維持管理費用が掛かる

法人は、存在しているだけで「均等割」と呼ばれる税金が年間7万円かかります。

また、法人の会計や税務申告となると、流石に税理士に任せてしまったほうが費用対効果の面で有利だと思われます。任せるとそれなり(安くても10万円台)の費用がかかります。

配当金へ課税される

個人で投資している場合、余程の大株主(発行済み株式の3%以上所有)でなければ、上場株式の配当金は20.315%の源泉税のみでOKです。

法人で投資している場合は、配当金の80%が法人税の課税対象となるルールがあります。

ただし、配当金も経費で相殺することができれば、特に神経質になる必要がない論点です。

その他

法人による株式投資は、税務処理が面倒な部分がありますが、税理士に任せてしまえば関係ありません。

ただし、既に本業がある法人で株式投資を行う場合は、消費税の負担が増加する可能性があるので、税理士にシミュレーションしてもらう等、慎重に検討したほうが良いでしょう。

また、税金ではありませんが、法人には社会保険(協会けんぽ)の加入義務があります。

社会保険料は、法人負担個人負担合わせて、役員報酬の29.742%です(東京都の場合)。

見落としがちですが無視できない経費なので注意しましょう。

まとめ

法人による株式投資は、税金面では次のすべてを満たす場合におススメと言えそうです。

・法人の維持管理費用(均等割、税理士費用)を吸収できるほどの投資利益がある。

例えば、年間利益が500万円の場合、個人投資なら約100万円の税金が必要ですが、法人投資にして役員報酬以外の方法で利益を吸収できた(=投資利益への税金がゼロだった)場合、維持管理費用は十分ペイできることになります。

・利益の大部分を役員報酬以外の方法で吸収できる(社会保険料の節約のため)。

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【編集後記】

プロフィールの大改修を行っていますが、うまく記憶を掘り起こせず、仕掛り中です(^^;)

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