法人で申告期限までに申告書を提出できなかった場合に起こること

法人税の申告期限は決算日後2か月以内ですが、万が一申告期限までに申告書を提出できなかった場合は、どのようなことが起こるのでしょうか。

青色申告の取消し

ほとんどの法人は青色申告の承認申請を受けていると思いますが、期限後の申告が2期連続して起きると、青色申告の承認申請が取り消されます。

この場合、期限後申告の2期目以降が取消しの対象(=白色申告)になります。

取消しの場合は税務署から通知がありますが、通知を受けてから1年間は青色申告の承認申請を行うことができませんので、最低でも3期は白色申告になってしまいます。

青色申告を取り消されると。繰越欠損金(=赤字を将来の黒字と相殺できる制度。将来の税負担が軽くなる。)や、特別な減価償却(取得価額が30万円未満の場合は全額経費など)が使えなくなり、かなりの打撃です。

無申告加算税がかかる

申告期限を過ぎると無申告加算税という税金が余計にかかります。

無申告加算税は、納めるべき法人税に5%〜20%を掛けて計算します。

この率は、深刻度が増すごとに上がっていきます。

・申告期限を過ぎても、税務調査の連絡があるまでに提出すれば5%

・税務調査の連絡があった後は10%

(納めるべき法人税が50万円を超える場合は、超える部分については15%)

・税務調査が行われ、決定(=税務署が申告内容を決めること)が行われそうだと察知した後 15%

(納めるべき法人税が50万円を超える場合は、超える部分については20%)

となっています。

無申告加算税が課されない特別ルール

このような無申告加算税のルールだと、納税は申告期限までに全額納付済みなのに、申告をうっかり忘れた場合にも無申告加算税が掛かってしまいます。

そこで、次の条件を全部満たした場合は、期限内に申告するつもりだったけど、うっかりしちゃったのね・・ということで、無申告加算税が課されないことになっています。

・申告期限内に全額納付済

・申告期限後1ヶ月以内に申告

・過去5年以内にこの特別ルールで救済されていない

延滞税がかかる

延滞税とは、利息のような税金です。

納付期限までに納税できていない場合は、納付期限後から納税が完了した日までの期間に応じて、年2.7%(2ヶ月を超える部分は年9.0%)[※]の延滞税がかかります。

[※] 年率は変わります。詳しくは以下を参照ください。

信用度が落ちる

申告書には、そのどこかに申告を行った日付が残ります。

金融機関や大手の取引先へ申告書を提出した際、申告期限を過ぎた申告日付が入っているものを見たら、担当者はどう思うでしょうか?

恐らく、申告期限を守れないような会社はちょっと・・・となるのではないでしょうか。

まとめ

申告期限までに申告書を提出できなかった場合の取扱いを見て、ますます申告書の提出が面倒になった方もいるかもしれませんが、放っておくと更に悪い状況になります。

遅れてしまったことは仕方ないので、1日でも早く申告書を提出できるようにしましょう。

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【編集後記】

とある調査のためにメガバンク3行に出向いたところ、それぞれ個性があると言いますか、対応にハッキリ差が出ていて面白いなぁと感じました。

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