中退共(中小企業退職金共済)に加入している場合でも、会社から退職金を支給する場合があります。
この場合、会社へ提出してもらう退職所得の受給に関する申告書(以下、「退職申告書」)を従業員に記入頂く際の注意点を説明いたします。
退職申告書について
退職申告書は、退職金を貰う方が、退職金の支払い元(中退共や会社)へ提出する必要がある書類です。
退職金からも源泉所得税や住民税を引く必要がありますが、退職申告書の提出がないと、引く税金が増えてしまい従業員さんの手取りが減ってしまうので、特に事情が無い限りは従業員に提出してもらうようにします。
退職申告書は、退職金の支払い元それぞれに提出する必要がありますので、例えば中退共と会社から退職金を貰う場合は、中退共へ1通、会社へ1通提出する必要があります。
退職申告書の書き方
それでは、会社に提出してもらう退職申告書の書き方の説明をいたします。
前提条件は次の通りです。
・会社の勤続期間 平成4年4月1日から平成29年6月30日まで
・中退共の加入期間 平成5年9月1日から平成29年6月30日まで
会社の退職金と中退共の退職金のどちらを先に貰うかで退職申告書の書き方が変わります。
会社の退職金が先の場合
会社の退職が先の場合は、通常の退職と同様に記入します。
なお、③の年数(下の例では26年)は、勤続期間の年数を記入します。このとき、1年未満の端数は切り上げます。
中退共の退職金が先の場合
中退共の退職金が先の場合は、中退共より従業員に対して、退職所得の源泉徴収票が交付されている筈なので、従業員へ提出するよう依頼します。
今回は、中退共より次のような退職所得の源泉徴収票が交付されたものとします。
退職申告書の記入例はこちら
会社の退職金が先の場合と似ていますが、Bの欄にご注目ください。
B欄の④は、先に貰った退職金、つまり中退共の加入期間を記入します。
また、B欄の⑤は、先に貰った退職金の勤続期間と、会社の勤続期間を合わせた期間を書きます。
文章だと解りにくいので、図にするとこのような感じです。
なお、1年未満の端数は切り上げます。
まとめ
中退共の退職金と会社の退職金が貰えるという、なんとも羨ましい状況における退職申告書の書き方について説明いたしました。
なお、中退共への手続きの際は、どちらの退職金を先に貰うのか中退共に伝えるルールのようです。
退職金の順番については、従業員さんと打ち合わせをして、間違いのない手続きを行いたいものです。
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【編集後記】
本日の記事は1,000文字程度と、普段(2,000文字前後)の半分の分量です。
ところが掛けた時間はほぼ一緒。文字数はともかく、内容が掛けた時間に見合っていると良いのですが。。。