転職することが珍しくない昨今です。
特に税理士業界は、異業種、同業種問わず、転職が多い業界です。
それでも、40歳以上の転職はどうでしょうか。
私は、20代、30代、40代の何れの世代でも転職を経験しています。自らの経験を踏まえ、メリットとデメリットを考えてみます。
目次
メリット
新しいスキルが得られる
私の場合は、正確には40歳まであと1ヶ月というタイミングで転職をしました。
転職した背景は次の通りです。
税理士業務に携わってから、法人税や所得税を中心に業務を行ってきました。
そんな中で、資産税(相続税、贈与税、譲渡所得税)や相続対策にどうしても関わりたい思いがあったからです。それも、資産税を専門とする事務所で。
結果としては、大正解だったと思います。
机上では得られない、得難い経験を沢山積むことができ、自信を持って資産税業務に取り組むことができています。
収入は一旦下がるがその後上がる
ケースバイケースかもしれませんが、私の場合は転職した直後はもちろん収入が下がりましたが、経験を積むにつれ、2年程度で前職並みの収入を得ることができました。
デメリット
仕事の進め方を覚え直す必要がある
税に関するルールは日本全国共通ですが、仕事の進め方は税理士事務所毎で違います。一例としては、次のようなものです。
・備品の在り処…備品置き場の場所、使用時に声掛けする必要があるか否か、事務所が用意するのか自分で買う必要があるのか、など。
・お客様の慶事弔事への対応…対応すべき範囲、方法、金額、依頼する相手など
・作成した書類の社内チェック…提出先、提出期限、チェックが何回あるか、など。
・お客様への訪問…単独訪問か否か、直行又は直帰の可否など
・業務報告書…紙で記録、データベースに記録、など
仕事の進め方を覚え直す作業は、時間も掛かりますし無駄な作業です。同僚にもいちいち質問しなければなりませんので、人によっては、それもストレスになるでしょう。
人間関係を再構築する必要がある
転職により、事務所内や、お客様との人間関係がリセットされます。
前職である程度長く働けば、同僚や部下に仕事の依頼をすることも出来たでしょうが、転職直後は中々出来ません。
未経験でも即戦力として期待される
40歳以上の転職となると、採用する側としては、どうしても即戦力として期待してのものになります。
仮に、未経験の職種(私の場合だと、資産税)だったとしても、です。
40歳以上ですと、最初からそれなりの人件費を負担しなければならないですし、未経験とはいえ同業種での長いキャリアを考えれば、即戦力として期待するのも止むを得ないでしょう。
したがって、短期間(目安として半年)で、ある程度の成果を出していく必要があります。
まとめ
転職により、仕事の進め方や人間関係の再構築に時間を消費させられる一方で、40代の転職は、より短期間での成果を求められます。
20代、30代での転職も、時間の消費は生じますが、短期間での成果は、若ければ若いほど求められず、多少はゆとりを持って業務に取り組めるでしょう。
一方で、新しい知識、経験を得ることができます。これは代替の利かないものです。
したがって、明確な目的のもと、相当の覚悟を決めて転職をするのならば、40代の転職もありです。
逆に、今の環境が面白くないから、なんとなく、といった理由で転職してしまうと、年代が上であればあるほど、取り返しがつかない事態になるかもしれません。