当ブログでは税金に関する記事を書いていますが、明快に書ける内容と、書けない内容があります。アパート大家さんの経費を例として説明します。
目次
アパートを建て替えた場合の旧アパート取り壊し費用は経費になるか?
答えは、経費になります。特に難しい理由があるわけでもなく、当然といえば当然ですね。
自宅を壊してアパートを建てた場合の自宅取り壊し費用は経費になるか?
答えは、経費にならないのです。次の図をご覧ください。
自宅の取り壊しは、たとえ目的が大家さんを始めることであったとしても、あくまで家事費、生活上の支出との取り扱いになり、経費になりません。
自宅を賃貸に転用してから、自宅を壊してアパートを建てた場合は?
答えは、経費になります、と即答したいのですが、即答できません。
自宅を賃貸に転用して、それなりに賃貸に出していた期間があった上での自宅の取り壊しなら、自宅取り壊し費用は経費になるでしょう。
ところが、自宅取り壊し費用を経費にしたいがために、自宅を賃貸に出したとしたら?次のようなケースは如何でしょうか。
(1) 賃貸の募集をかけてみたものの、2ヶ月経っても賃借人がつかないため自宅を取り壊した。
(2) 賃貸の募集をかけてみたものの、半年経っても賃借人がつかないため自宅を取り壊した。
(3) 親族に相場並みの家賃で賃貸し、半年経って出て行ってもらい自宅を取り壊した。
動機が経費狙いであれ、結果として賃貸として運用ができていたのなら、経費にしても問題ありません。ところが、前述のケースは、(2)は理由次第で経費として主張できそうですが、他はちょっと怪しげな感じがします。
ブログは既製品、顧問契約はオーダーメイド
先ほどは、明快な答えを出しにくい事例を挙げました。
第一印象としては経費狙いに見える事例ですが、性急な決めつけは危険です。
もし、現実に顧問のお客様でこのような事例があった場合はどうするか。
私なら、その事実に至った背景や動機、前後の状況も確認しつつ、税理士としての視点も加え、ご本人(この事例ならアパートオーナー)と議論を深めて、経費として主張できるか否か判断します。
ブログでは、このように考え方はお伝えできても、答えをお伝えすることはどうしても難しいことです。
その一方で、一般的な税金の決まりごとや、取り扱いが決まっていることについては、ブログで答えをお伝えすることが出来ます。
言わば、ブログは既製品、顧問契約はオーダーメイドのようなものです。