不動産業者から提示されるアパート事業計画書。
一見、利回り10%、12%と中々魅力的な数字が並んでいることがありますが、喜ぶ前にチェックすべきことがあります。
目次
賃料収入は相場に見合ったものか
サブリース方式ではなく、管理委託方式(空室リスクは不動産オーナーが負う方法)の場合にチェックしたい内容です。
事業計画書には賃料収入が記載されているはずですが、この賃料収入がアパート建設予定地近辺の相場に見合ったものか、念のために確認すると良いです。
確認方法ですが、不動産情報サイト(SUUMO、ライフルホームズ、Yahoo!不動産など)で簡単に確認できます。
筆者の経験上は、相場に見合う賃料収入が設定されていることが殆どですが、念のためチェックすることをお勧めします。
想定入居率と賃料の変動を考慮しているか
こちらも、サブリース方式ではなく、管理委託方式の場合にチェックしたい内容です。
想定入居率と賃料の変動を考慮しているかどうかもチェックしてみましょう。
一般的には、中古物件より新築物件の方が人気があり、入居も決めやすいものです。
また、どんな新築物件でも、必ず中古物件になります。
つまり
・新築当初は想定入居率100%を狙いやすい。
・時の経過と共に、入居率は下がり、入居を決めるために賃料も下げざるを得なくなる。
ということになります。
例えば、想定入居率100%、賃料の変動がないまま40年分もの事業計画を作成している場合は、相当疑ってかかった方が良いです。
もちろん経営努力で満室経営を目指すものとしても、1部屋空いた場合の収支や2部屋空いた場合の収支など悪いシナリオも検討することをお勧めします。シナリオは不動産業者に依頼すれば作成して貰えると思います。
長期修繕計画が考慮されているか
こちらは、支出に関するチェック項目です。
アパート建物は、時の経過と共に様々な場所に不具合が生じ、修繕が必要になります。
一般的な目安は次のとおりです。
・屋根の防水工事は約10年〜15年ごと
・外壁の塗装改修工事は約10年〜15年ごと
・給排水管は約20年ごと
・各部屋のエアコンや給湯器は約10年〜15年ごと
アパート事業計画における長期修繕計画については、不動産業者により取り扱いがかなりバラバラな印象です。
大手不動産会社でも、しっかりとした金額を計上している会社も有れば、全く計上されていない会社もあります。
「長期修繕」をキーワードに、事業計画書をつぶさに眺めてみて、長期修繕計画が考慮されているか検討してみましょう。
考慮されていない場合は、考慮するよう不動産会社に要求しましょう。
サブリースの場合、改修工事業者が事実上選べないことも
全ての不動産業者に当てはまらない(当てはまって欲しくない)ことですが、サブリース契約の場合において、不動産業者の関連会社による長期修繕工事の実施をサブリース契約の更新条件にしている場合があります。
こうなると、長期修繕についてコストカットは不可能です。(というより、ぼられる。)
サブリース契約を予定している場合は、長期修繕をオーナー側で手配してよいか確認し、手配がダメな場合は可能にするよう交渉してみるのも一つの方法です。
税金が考慮されているか
こちらも、支出に関するチェック項目です。
詳しくは、次の記事をお読みください。
ちなみに筆者は、税金(所得税や法人税)を考慮している事業計画書を今まで見たことがありません。
おわりに
事業計画は、とかく甘い香りのする金額ばかりで、正しい判断が出来ない可能性があります。
一歩引いた目で、冷静に事業計画書を眺めてみましょう。
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【編集後記】
高校野球の準決勝は、どちらの試合も大変な盛り上がりでした。特に第1試合の9回裏はハラハラドキドキ。
明日の決勝戦、ナイスゲームを期待しています!