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決算日後でも実行可能な節税対策は沢山ある
節税対策は、決算日までに行うことが基本です。
しかし、決算日を過ぎてしまっても実行可能な節税対策は、意外に沢山あるものです。
繰越欠損金
繰越欠損金は、過去の赤字のことです。
繰越欠損金の分、当期の黒字をナシにすることができます。
例えば、繰越欠損金が100万円で、当期の黒字が150万円なら、50万円を基に法人税の計算を行えます。
節税対策を検討する前に、先ずは繰越欠損金の有無を確認しましょう。
繰越欠損金の確認方法
前期の法人税申告書を用意します。
申告書のうち、右上に別表一(一)と記入されている頁を開くと、右側の真ん中より下の
辺りに、次の欄があります。
この欄に書かれている金額が、繰越欠損金です。
未払い社会保険料の計上
社会保険料の計上?毎月末に引き落とされているじゃないの?と思われるかもしれませんが
社会保険料は1ヶ月遅れで引き落としされています。
例えば、2017年3月31日に引き落とされた社会保険料は、2017年2月分です。
ということは、2017年3月分の社会保険料は、2017年4月末(実際には休みなので2017年5月1日)に引き落とされるので、3月末が決算日の会社は未払いの筈です。
そこで、決算処理の際、忘れずに2017年3月分の社会保険料を計上します。
決算日が土日の場合は、2ヶ月分が未払いになっている筈なので、未払い計上できる社会保険料も2ヶ月分になります。
なお、前期末に社会保険料を未払い計上している場合で、その未払金が消えずに残っている場合は、取崩し(未払金を消し、その分費用を消す)処理をしないといけません。
決算日が月末以外の会社は未払い計上できない
但し、決算日が月末日以外の会社は、未払い計上できません。
例えば3月20日決算日の会社は、3月分の社会保険料を未払い計上できません。
社会保険料は、月末日に在籍した従業員分について支払うことになっているので、月末日まで社会保険料の金額が確定しないためです。
未払経費の計上
社会保険料以外にも、未払いの経費は漏れなくチェックし、余すことなく計上します。
チェックの方法としては、決算日後1〜2ヶ月の支払いのうち、決算日までに購入している、サービスの提供を受けている分を拾い出すことによりチェックします。
ちなみに、従業員の給与の締め日が月末以外なら、締め日後〜月末日分の給与も未払計上できます。
前期末に未払経費を計上している場合の処理は、社会保険料と同様です。
売上に対応する原価の再チェック
建設業や自動車販売業など、売上と原価が1対1のひも付き関係にある事業の場合に有効な方法です。
例えば建設業なら、決算日までに計上した売上(完成工事高)に対応する原価が正しく計上されているかチェックします。一件漏れているだけで数百万円単位で利益が変動することも珍しくないので、慎重に行いましょう。
期中の経理処理を支払い時に原価計上している場合に、特に原価の漏れが起きます。
なお、売上に対応する原価は、決算日現在で金額が未確定であっても、見積もって計上することができます。経費は金額が確定していないと未払い計上できませんが、原価は取り扱いが異なりますので注意してください。
貸倒引当金の計上
決算日現在の債権(売掛金、貸付金など)の0.6%〜1.3%(自社の業種により異なる割合)を費用計上することができます。不良債権の場合は業種関係なく50%です。
ただし、前期末に費用計上したものは当期で取り消します。つまり、前期末に費用計上したものは当期では利益扱いになります。
貸倒損失の計上
不良債権のうち、期中に法的処理が済んだものなど一定のものは、債権を切り捨てることにより費用計上します。これを貸倒損失の計上と言います。
法的処理が済んだ時にタイムリーに費用計上しないといけないため、翌期に処理を遅らせて利益調整するのは止めましょう。
固定資産の見直し
固定資産台帳を見直します。主な見直しポイントは次の通りです。
・廃棄処分を行った資産が登録されている・・・廃棄損として費用処理し台帳から削除
・法定耐用年数を間違えて償却していた・・・当期から正しい耐用年数に修正
・不動産を賃借した際の敷金について、契約書をよく見ると敷引きがあった・・当期から償却開始
不良在庫の評価損
在庫のうち、型落ち、売れ残った季節商品、痛んだものなど、定価販売ができないものは評価損の計上ができます。
評価損は、購入金額−販売可能な金額により求めます。
但し、評価損の計上はハードル高めです。販売可能な金額の説明が難しいためです。
現実的には、自社での過去の販売実績や市場での取引事例を参考に、販売可能な金額を出すことになるでしょう。
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【編集後記】
新宿の小田急百貨店の屋上は、ベンチやテーブルなどが置いてあり、時間つぶしのできる穴場です。というネット情報を基に行ってみたら、子供さんを連れたお母様で一杯でした。
穴場じゃないし・・・。