国土地理院のウェブサイトで、過去の航空写真を見ることが出来ます。
同じ場所で戦前と現在の状況を比較するなど、好奇心に任せて色々見て回るのも楽しいですが、実益になる使い方も出来そうです。
航空写真へのアクセス
まず国土地理院ウェブサイトへ
次のトップ画面が表示されるので、画面真ん中の「地理院地図」をクリック
すると地図が表示されますので、画面左上の「情報」をクリック。
次のウインドウが開きますので「空中写真・衛星画像」をクリック
年代毎の写真データを選択するウインドウが開きます。
こちらには表示されていませんが、実際には下にスクロールすると、更に古い年代も表示されます。最も古い年代は1936年(昭和11年)頃です。
試しに1945年〜1950年を選択した結果がこちら
少し分かりづらいですが、青で着色されている地域が、写真データのある地域です。
古い年代ほど写真データが限られるようで、1936年の写真データは東京23区のみでした。
都市の今昔地図巡り
実際にいくつかの都市を見てみました。
まずは2007年(平成19年)頃の東京、湾岸地域です。画面の中心はあの豊洲市場がある場所です。
左下にはレインボーブリッジ、その南にはお台場も確認できます。
1936年(昭和11年)頃の同じ場所です
白くなっているところは地図データがないところです。
レインボーブリッジは勿論ありませんが、豊洲があるはずの場所は海です。お台場も勿論ありません。月島や晴海も、現在は陸地であるはずの一部が海です。
土地の履歴が手に取るように分かります。
続いて渋谷です。先ずは2007年(平成19年)頃
中心にあるのが渋谷駅です。白い屋根は東急東横線の渋谷駅です。
現在は取り壊されていますが、この時点ではまだ健在です。
では、1936年(昭和11年)頃の渋谷は
南北に連なる線路の右脇に黒い部分がありますが、これは渋谷川です。
今も渋谷川はあるのですが、暗渠などに隠れて上空からは確認出来ない部分が多いです。
今度は東京を離れ、大阪へ。
画面の真ん中にあるのは通天閣、東側の緑は天王寺動物園です。
大阪は1936年の航空写真データがないため、1945年〜1950年(昭和20年〜25年)の航空写真を見てみます。
通天閣がありません。
今の通天閣は二代目で、1956年(昭和31年)に建設されたものです。
放射状に広がる道は現在と一緒なのが興味深いです。
続いて、名古屋です。
画面真ん中の緑は白川公園。公園敷地内やや北側の銀色に光る建物は名古屋市科学館です。ここのプラネタリウムの直径は世界最大だそうです。
公園の西隣りと南隣に道幅の大きい道路が確認できます。
それでは、1945年〜1950年(昭和20年〜25年)頃はどうでしょう。
今とまるで違います。道路はおろか、白川公園も確認出来ません。
道幅の大きな道路もありません。
名古屋市内は大戦時の大空襲で焼け野原となりましたが、戦後の再興計画の際、将来の車社会の到来を見越して、道幅の大きな道路が計画、整備されたそうです。
実益がある使い方
好奇心に任せて様々な年を見てきましたが、実益がある使い方に気づきました。
それは、土地の履歴の確認です。
例えば、次のことが確認できます。
・購入しようとしている土地は、過去どのような状況だったのか。
・評価したい土地は、過去どのような状況だったのか。
先程の都市巡りでは、現在と戦前戦後との比較でしたが、70年代、80年代の航空写真データもありますので、より細かい分析が可能です。
現在はちゃんとした陸地だが、過去は沼地だったなどは珍しくありません。
地名(○○沼、○○田など)から過去の土地の状況を推定することも出来ますが、航空写真なら一目瞭然です。
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【編集後記】
昨日の朝、ベッドから起き上がろうとしたら、首筋からプチっという音が。
どうやら、ぎっくり首という状態らしいです。ぎっくりは腰だけで十分です。。。